RAPHAS JAPAN、マイクロニードルの最新動向

C&T 2023年6月15日号 54ページ

カンタンに言うと

  • マイクロニードルの開発から製品化まで
  • 自社ブランド「ACROPASS」の製品をOEM・ODMでの提案ツールに活用
RAPHAS JAPAN、マイクロニードルの最新動向


自社ブランド「ACROPASS」の製品を
OEM・ODMでの提案ツールに活用

 同社が主力事業とする溶解性マイクロニードルのOEM・OEMでは、「どんな効能効果を持たせるか」「訴求あるいは効能を出す成分としてどのような成分を配合するか」「肌のどこに貼るのか」の3点についてクライアント企業にヒアリングを行い、要望を受けて最適な配合成分とパッチ形状の提案を行っている。

 溶解性マイクロニードルの製品化を検討するにあたり、製品の具体的な見本となるのが自社ブランドの「ACROPASS(アクロパス)」で、これがOEM・ODMにつなげていくための重要な役割を担っているという。

 「アクロパスを積極的に展開しているわけではなく、OEM・ODMのクライアントに対して製品化がイメージしやすくなるツールとして活用している。それ以外にも、ニードルコスメの認知度向上や市場へのテストマーケティングといった位置づけで展開している」(権社長)

 OEM・ODMで提案する際のベースとなるアクロパス製品の主な事例としては、マスク着用によりニキビなどの肌トラブルに悩む人が増加したことに伴い、コロナ禍で好調だったアクネケア用の「エイシーケア」と、熱や紫外線を一切使わないDEN製法により失活しやすいレチノールをマイクロニードル内に安定化させて高配合し、肌の角質層に高浸透させることに成功した昨年発売の「レチノールマイクロニードルパッチ」などがある。

 エイシーケアは、大人ニキビの最大の悩みである「ニキビ跡・色素沈着」に着目して開発されたアイテムで、アクネ菌の増殖を抑える成分として「ナイアシンアミド」、ニキビ跡の色素沈着をケアする成分として「オリゴペプチド-76」を配合している。

 「中身の成分が決定した後は、次にどこへ貼るかを検討する段階となる。ニキビ悩みは顔や体、首元、背中など色々な部位で起こるため、ピンポイントで貼れる形状が最適なため、小さな円型のパッチがおすすめだ」(権社長)



 レチノールマイクロニードルパッチは、コロナ禍でニーズの高まった目もとやほうれい線の「小じわ改善」に着目して開発されたアイテムで、シワ改善や毛穴の引き締め、シミ・肌の乾燥などをケアして艶肌効果が期待される成分「レチノール」を配合している。また、レチノール以外にも「塗るボトックスともいわれる『アセチルオクタペプチド-3』と、肌のブライトニングとリフティング力を高める『アスコルビン酸』を配合し、弾力低下やくすみなどにも総合的にアプローチすることで、ツヤとハリのある肌へと導く」(権社長)という。

 「紫外線に弱く皮膚表面だと効果が発揮しにくいレチノールこそ、マイクロニードルで使用するのに最適な成分であり、当社ではレチノールを世界で初めてマイクロニードルへ安定化して配合することに成功した。レチノールを配合した乳液とレチノールマイクロニードルパッチの浸透比較では、パッチのほうが乳液より浸透するレチノールの量が259%も多く、パッチ1枚の有効成分の浸透量は乳液10回分に相当した。マイクロニードルパッチは皮膚表面に塗る一般的な化粧品と比較してお客様からの期待が高く、使用して1~2回で肌実感がなければ効果がないと思われてしまうため、レチノールマイクロニードルパッチは使用後2時間で小じわ改善の効果が感じられるようにこだわって開発した」(権社長)
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