第43回 「インフルエンサー」になりたいユーザー心理

【週刊粧業2020年2月3日号11面にて掲載】

 インスタグラムやツイッターなど、SNSを活用している消費者は増え、企業から依頼されて化粧品を使用した感想などを、消費者が投稿する手法もマーケティングの主流となりつつあります。では、実際に投稿している消費者の本音はどうなのでしょうか。

 美容関心層で、マイクロインフルエンサーでもある消費者が集う弊社「コスメラウンジ」の会員メンバーを対象に、SNSユーザーの現状についてアンケート調査を実施しました。

 「SNS投稿する一番の目的は?」という質問では、「情報収集」が33%、「自分の発信を見てもらいたい」が21%と、情報収集と自らの情報発信に使用している層が半数以上いる一方で、「知人の様子を知りたい、つながりたい」といった、SNSをコミュニケーションツールとして活用する人も13%いることがわかりました。

 また、「企業からの依頼」(7%)や「インフルエンサーになりたい」(6%)といったコメントがあることも、企業から依頼されて製品の感想などをSNSに投稿する「PR案件」が増えている現状を物語っています。

 今回、「PR案件」についてもコメントが多く寄せられました。

 「依頼記事の投稿に、『PR』を入れるように企業から言われていた方が、発信者側としてはステマにならず有難い」「依頼される際に、『これをこういう風に何回投稿してください』など、細かい要求が多いと疲れて面倒になり、参加したくなくなる」といった参加条件に対する意見も最近は増えています。

 また、「PR」のハッシュタグがついている投稿については見解が分かれ、「『PR』とついていれば、『この記事は良い事しか書いていないのだな』という目で見てしまう」「フォロワー数が多くてもほとんどがPR投稿の人の記事は信ぴょう性に欠けるので読まない」という、PR投稿に対する否定的なコメントがみられる一方、「ハッシュタグに『PR』とあっても、内容や写真次第。丁寧なレポートであれば参考になる」「発売前の商品や新しいレアな情報が見られるのもPR案件ならでは。私はもっぱら閲覧するだけの情報収集専門のユーザーなので、そうした情報はありがたい」など、「PR投稿への拒否感はない」という声も多くありました。SNSを活用する人にとって、PR投稿への関心の高さが窺えます。

 一般の人がすぐに始められ、投稿内容やフォロワー数によって、個人がインフルエンサーとして活動できる現在のPR環境。「PR案件」の投稿は、膨大な数となりつつありますが、投稿する側もそれを見る側も成熟した感覚を持つようになった今、企業側もユーザーを見極める必要性がさらに高まってきているといえそうです。
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松下令子

美容専門PR・販促支援会社 (株)DSプロモーション 代表取締役

「顧客と一緒に汗を流す」をモットーにPR・販促事業を展開。 医療機関テスター設置活動など独自の販促支援事業が好評。 「当連載では、私たちが業務を通じて得た“今日から試せる”  PR・販促施策のヒントをあらゆる角度から提案します」

http://www.ds-p.net/

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