液体伸長で衣料用洗剤市場は拡大傾向、わずか半年で超濃縮液体の構成比2割に
2009年の衣料用洗剤市場は、構成比で40%を超える規模にまで成長した液体洗剤が市場全体を大きく牽引し、個数で7%増、 金額で前年比4%増となった。
ドラム式洗濯機のさらなる普及と相まって 「使い勝手の良さ」 や 「溶け残りが少ない」 というイメージの強い液体洗剤へのニーズが生活者の間で高まり、 メーカーや販売店もそれに合わせて液体洗剤の取扱量や露出度を高めたため、 若干単価が高めの 「液体」 が伸びたことで市場が拡大した。
2010年1~6月は、 液体洗剤、 中でも超コンパクト液体洗剤が市場をさらに牽引。 販売個数で9%増、 金額では6%増となり、 個数・金額とも前年実績を上回っている。 下期以降は伸び率は鈍化するにせよ、 超コンパクト液体洗剤が市場を牽引していくものと思われる。
今年に入り特に目立った動きとしては、 10年1~6月の液体洗剤市場が前年同期比32%増となり、 衣料用洗剤の構成比で 「液体」 (49%) が 「粉末」 (45%) を逆転したことが挙げられる。
その原動力となったのは超コンパクト液体洗剤で、 この市場をリードする花王 (アタックNeo) とライオン (トップNANOX) の両社の製品が出揃った1月20日からわずか半年あまりで、 液体洗剤市場の約2割の構成比を占めるまでに拡大している (インテージSRI調査) という。 まさに、 衣料用洗剤カテゴリーにおける新たな時代の幕開けであり、 エポックメイキングとも言うべき出来事であった。
超コンパクト化では、 単に重量が半分になって買い物に便利になったというより、 「すすぎ1回」 という価値を新たに加えたことが画期的だった。 これにより、 多くの生活者を巻き込んで地球環境保全について考えるきっかけを創り出せたことは、 衣料用洗剤市場にとって活性化以上の効果をもたらしたのではないか。
柔軟剤は個数増・単価減で前年並み、下期に投入される高機能タイプに期待
2009年の柔軟剤市場は、 販売個数が3%増え、 金額では4%の増加となった。 購入世帯数がこの5年間で約10P増えていることに加え、 一世帯あたりの使用量が増えていることが市場拡大の原動力となっている。
品目別構成比は、 「香り・防臭」 タイプが7割、 基本機能である 「柔軟」 タイプが2割、 「その他」 が1割となっており、 ここ4~5年で 「香り・防臭」 タイプが倍増しているのが特徴的だ。
2010年1~6月は、 販売個数が3%増と伸びているものの、 平均単価が3%減っているため、 金額ベースではほぼ前年並みで推移している。 下期 (10年7月~) 以降については、 超コンパクト柔軟剤 「ハミングNeo」 (花王) や、 今年に入ってからも2ケタ増と好調に推移する“香り・防臭訴求”分野の柔軟剤 「香りとデオドラントのソフラン アロマリッチ」 (ライオン) が投入される。 単価アップの好材料が揃っていることから、 今年に入り停滞気味だった柔軟剤市場の活性化が期待される。
この記事は週刊粧業 掲載
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