化粧品・医薬部外品のOEM/ODMである東洋ビューティは、国内5拠点・3工場体制で、スキンケア、ヘアケア、ボディケアなど小ロット・多品種から大量生産まで対応可能な生産体制を確立している。
近年、力を注いでいる研究開発では、東西2拠点に置く研究所に85名の研究員が在籍し、自社内で機能性評価と製品開発を行える体制を整える。今年1月には西の研究所である中央研究所の改修に合わせ、大幅な設備投資を行い、「イノベーションセンター」として新たなスタートを切った。「当社への信頼を高めてもらう」ことを目的に、施設内に見学ルートを設け、実際の開発風景を見学できる設計にしているのも大きな特徴の一つだ。
迎えるCITE Japanでは、「和」を総合テーマに据え、伝統的な日本家屋をイメージしたブース内に、イノベーションセンターの紹介を含めた企業説明・研究開発を紹介するほか、テーマに沿った自社の技術・企画アイデアをアピールする。会場の入場口傍の出展立地を活かし、開発製品を用いたデモンストレーションを披露する。
顧客ニーズを具現化した
化粧品・最新技術を一挙紹介
今年1月に旧本社・中央研究所を改修・拡張して設立した「イノベーションセンター」は、機能性研究室と製品開発室の2棟で、最先端の研究開発を行っている。研究員が自身のリズムで研究開発に取り組める環境づくりにもこだわり、研究員には、一人1台のデスクとタブレットを導入。作業効率を向上させ、開発の高速化を推進している。
機能性研究室では、エビデンスに基づく化粧品開発の源泉として、基礎研究から安全性・機能性評価、微生物評価などの各種評価・分析を行っており、大学や研究機関との連携も進め、新素材の開発にも取り組んでいる。
製品開発棟は、棟内に加速・過酷試験が行える設備を整えた製品評価室など各種試験室を設けたほか、小型パイロットプラントを多数設置するなど再現性の高い製品開発を実現する環境を整えた。また、新たに最新鋭の75リットルの真空乳化釜を導入し、最終製品化を意識した試作などに活用している。
展示ブースでは、来場者が視覚、感触で楽しめるデモンストレーションコーナーを2カ所に設け、期待できる効果・効能だけでなく、視覚や触感など使って楽しめる最新の開発製品を厳選して展示・紹介する。
一例として、サンスクリーン剤では、紫外線防御効果最高値である「SPF50+・PA++++」のUV製剤のバリエーションを披露する。中でも新開発のO/WのUV製剤は、みずみずしい感触が特徴で「感触の違いを実感してもらい、既存品の改良やシリーズ拡充などの企画に活かしてもらいたい」という。
そのほか、自社オリジナル原料であるビタミンC誘導体「Funcos (ファンコス)C-IS」を配合した泡で塗布する美容液や、感触や使用感に特徴を見出したシャーベット状ジェルなども展示する。また、透明なジェルを肌になじませていくと、クリームに変わる「ハンドエッセンスクリーム」は、新感覚のハンドケアとして「デモンストレーションの目玉にしたい」と自信を覗かせた。
それ以外にも、ベーシックなスキンケアシリーズを、容器デザインを加えた形で開発製品を並べる。いずれも有効性評価データを付与した形で紹介し、化粧品の企画コンセプトから処方開発、有効性評価データの付与などトータルサポートが可能な「機能性評価・処方開発・企画提案(営業)」の連携力をアピールしていく。
高まるオーガニック需要に対し
植物100%「凛花木和」で回答
さらに、今回の展示会に向けて「新たなチャレンジ」として100%植物でつくったスキンケアの開発に取り組み、「凛花木和(りんかもくわ)」シリーズとして発表する。
防腐剤など合成化学原料を一切使わない100%植物由来の「凛花木和」は、クレンジング、洗顔フォーム、化粧水、乳液、クリーム、美容液、オイルバームの計7アイテムを揃えたスキンケアシリーズで、企画・構想から処方開発まで全て自社で取り組んだ。
化粧水などに使用する水も、日本の象徴的な花として知られる「梅」から蒸留・精製した梅水を使用した。
シリーズの中でも、洗顔フォームに関しては「安定性を担保するのに苦労した」といい、来場者にサンプリングし、実際に使ってもらい、品質へのこだわりを実感してもらう考えだ。
「凜花木和」シリーズは、植物、オーガニックをコンセプトにした依頼が増えている中で、東洋ビューティが企画提案・開発できるスキンケアということで、「すべて植物由来で作る」ことに挑み完成させた。
近年は、オーガニック成分の配合量などに自社基準を設けるメーカーが増えているが、そうしたオーガニックにこだわりの強い顧客に対しても、今まで以上にフレキシブルな対応を実現する。
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この記事は週刊粧業 2015年5月26日号 掲載
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