日本コルマー、国内の需要回復で19期連続増収へ

週刊粧業 2023年2月27日号 8ページ

カンタンに言うと

  • 生産能力増強にも前向きな姿勢
日本コルマー、国内の需要回復で19期連続増収へ
 化粧品OEM/ODM国内最大手の日本コルマーは2023年3月期、既存顧客の取引拡大に加え、新規顧客の獲得が好調で、売上高が前期比約12%増の550億円に到達する見通しだ。19期連続増収の達成も濃厚となった。

 神崎義英社長に話を聞いた。

 ――22年度の好調要因を詳しく聞かせください。

 神崎 前年度の後半あたりから、コロナ禍で止まっていた新製品発売やリニューアルの案件が戻ってきている。下期は数字を厳しくみていたが、スタートアップを中心とした新規顧客からの受注が増え、ペースダウンすることなく推移した。

 カテゴリーで見ると、スキンケア全般と中・高価格帯のヘアケアの案件が増えている。メークアップも目まわりの製品は引き続き好調だ。リップやファンデーションも受注の回復が見られた。

 ――スタートアップが貴社を選ぶ理由をどう分析していますか。

 神崎 他社との違いという観点では、国内7工場・5研究所の充実した体制で、あらゆる化粧品の開発・製造に効率よく柔軟に対応できるからではないか。近年はテスト販売のような形で初回ロットを小さくスタートする企業が急成長することも珍しくない。スタートアップに限らず、様々な需要の変化に対応できるOEM/ODMであるかどうかは、より重視されてきているように思う。

 ――製造面では、2010年代に稼働した4工場(静岡・結城・伊賀・広島)の設備投資も着々と進められています。

 神崎 直近では広島工場(広島)にバルク製造棟を新設し、昨年12月よりバルク製造を開始した。結城工場(茨城)に続いて、バルク製造から充填・仕上げまで一貫して行える工場にした。

 また、伊賀工場(三重)は、ポイントメーク製品の増産・代替生産に対応できる設備・体制を整えている。他の製品と同じようにポイントメークの製造も柔軟に対応することができる。

 日本国内は人口減少とそれにともなう経済成長の鈍りで市場が縮小し、さらに競争が激しくなり、製造・開発のアウトソーシング需要はさらに拡大していく。将来を見据え、新たな工場も検討する段階に入っていく。
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