インドネシアの女性が化粧品に求める効果は、何といっても「美白」です。
インドネシアは多民族国家ではありますが、その大多数を占めるのはブラウンの肌色を持つマレー系の人々です。中華系など肌の色が明るい人もいますが、全体からみると少数であり「白い肌=美人」というのがインドネシア人の共通認識です。
この白い肌に対する憧れは、350年以上続いたオランダの植民地支配が影響していると言われています。当時、特権階級として栄華を享受していたオランダ人は、富と権力の象徴でした。また、インドネシアの富裕層は中華系の人が多いため「白い肌=裕福」というイメージが浸透しています。白い肌は一種のステータスでもあり、女性のみならず男性も美白に熱心です。
デパートの高級化粧品のカウンターでも、最も目立つ位置にあるのは美白ラインです。スーパーやドラッグストアでも、美白化粧品はずらりと並んでおり、その中でも「バンクアン」配合の物が人気です。
バンクアンとは、昔からインドネシアで美白効果があるとして食されてきた植物です。見た目は玉ねぎのようで、皮をむくと白く長芋のようで、これを炒め物にしたり、生でサラダのようにして食べたりします。
沖野真紀
中国女性市場専門調査会社 (株)ブルームス代表取締役
定性調査に特化したインサイトマーケティングを得意とする。また、日本とアジアのメディアで美容通としても活躍中。その知見と現地調査でアジア女性の美容ニーズの分析に努めている。
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