ブランド史が「商品の信頼」に
ネット社会と調和し再加熱
国内市場は縮小傾向にあり、限られたパイの奪い合いが激しくなっている。小売店の店頭や棚上段には、話題性のある新商品群が並び売場はいつも活気づいているが、次の来店時に、その顔ぶれが変わっていることは珍しくない。
一方、目線を少し下へずらせば、いつもその場所に顔を並べる商品群がある。近年、それら中下段の商品群が、インターネットという新たなメディアの普及とともに再注目されている。最近では長いブランド史が「商品の安全・安心、品質」への信頼につながり脚光を浴びはじめた。
今回特集した8社の長寿ブランドは、いずれも国内で半世紀以上販売されている。それぞれの特徴を見てみると、素材や使用感、価格、販路などいくつかの項目において、独自の取り組みを推進してきたことにあるようだ。
また、インターネットの普及が長寿ブランドの再評価につながっていることが取材で明らかになった。化粧品・美容クチコミサイトでのランキング評価が、若い女性を中心とした新規顧客の獲得につながり売上げに反映されている。そのクチコミによって誰かに伝えたいという気持ちは、まだインターネットが発達していない時代に、家族(母や祖母)など信頼のおける人から受け継がれてきたことが背景にある。
世代を超えて使われてきた要因について聞いた中に「変わらないブランドになるために、変えてきた部分もある」(ロゼット)という答えがあった。
ここでいう「変えること」とは、新規成分の配合、パッケージデザインのリニューアル、新シリーズの展開などの大きな変化だけでなく、市場トレンドやユーザーニーズの変化などに合わせて「中身の処方を少しずつ変えている」といった小さな変化も指している。
先のコメントを寄せたロゼットからは、この小さな変化を繰り返してきたことにロングセラーの隠れた功績が感じられた。「いい商品が必ずしも売れる時代ではない」といったマーケティング志向の声が大きくなる傍らで、「いい商品は必ず消費者に伝わっていく」ことを8社のロングセラーブランドは証明している。(記事詳細はこちら)
【記事掲載企業】
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この記事は週刊粧業 掲載
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