ライオンは、2012年度を初年度とする新経営ビジョン「Vision2020」において、「国内事業の質的成長」「海外事業の量的成長」「新しいビジネス価値の創造」「組織学習能力の向上」という4つの戦略を推進することにより、中期的な成長軌道、収益基盤の強化を目指している。
2013年度は「汎用価格帯製品の販売価格安定化」「取引制度改定」を推し進め、収益面で次なる成長の布石を打てたことから、2014年度は組織改正を行い、さらなる成長の加速を図っていくという。2013年の動向と2014年の展望について、濱逸夫社長にインタビューした。(記事詳細はこちら)
高付加価値型・市場創造型製品が
参入市場の伸びを上回る形で推移
――まずは、2013年を改めて振り返っていただけますか。
濱 2013年は、「国内市場の質的成長」「海外事業の量的成長」「新しいビジネス価値の開発」に取り組みました。
「国内事業の質的成長」に向けては、「高付加価値型・市場創造型製品の育成加速」「汎用価格帯製品の販売価格安定化」「取引制度改定」を推進しました。一昨年は、汎用価格帯製品で値崩れが起き、売上は上がっても利益につながらないという経験をしましたので、汎用価格帯製品の販売価格安定化に取り組むとともに、取引制度の改定も行いました。このことが大きなトピックスでした。
「海外事業の量的成長」に向けては、展開各国において2ケタ成長を継続させるとともに、海外9カ国目となるフィリピンに進出しました。
「新しいビジネス価値の開発」では、通販事業において「ラクトフェリン」に次ぐ第2、第3の柱をつくるべく、エイジングヘアケア「フルリア」シリーズを発売し、新たなカテゴリーへの進出を図りました。
――日用品市場と御社製品の動向について教えていただけますか。
濱 当社が参入する主要40市場の1~9月の動向をみると、単価が100、数量が102%で、市場全体では102%と堅調に推移しています。
そうした状況の中にあって、主力ブランドから発売した新製品が市場の伸びを上回る形で推移し、非常に好調です。
オーラルケアでは、9月に発売した「薬用 ハイテクト 生薬の恵み」が計画比198%で推移しました。また、汎用価格帯製品である「デンタークリアMAXライオン」の販売価格安定化にも取り組み、7~9月の平均売価が前年同期比で13%も上昇しました。このように高価格帯へのシフトを進めるとともに、汎用価格帯での価格安定化に取り組んだ結果、ハミガキ市場の単価につきましても前年比104%と上昇の傾向がみられます。
ビューティケアでは、シャワー感覚のデオドラントウォーター「Ban シャワーデオドラント」の2~9月の売上が計画比125%、「Ban パウダースプレー トレンドセレクション」の2~9月の売上が計画比121%と好調に推移しました。パウダースプレーにつきましては、全香調を毎年リニューアルしていましたが、シーズンが終わると全て返品で戻ってきて販売店様、卸店様にとっても非効率でしたので、スタンダードな香調については数年に1度、3香調についてのみ毎年リニューアルするという方式に改めましたが、非常に高く評価していただけました。
目薬市場には、中高年用目薬「スマイル40 プレミアム」「スマイル40EX ゴールドマイルド」を投入しました。前者は1470円という店頭価格ながら想定以上の売れ行きを示し、これまで前年割れが続いていた目薬市場を108%(4~9月)とするなど、市場活性化に貢献しました。当社の4~9月までの売上も124%と非常に伸びています。
新市場創造型製品では、一昨年9月に発売した「ルック おふろの防カビくん煙剤」が昨年の梅雨時期にかなりメディアに取り上げられ、爆発的にヒットし、発売後11カ月(~13年8月)で累計販売数が500万個を突破しました。1回使用していただくとリピート率が高い製品であり、年間を通じて訴求できますので、この生活習慣をしっかりと根付かせていきます。こうした新しい提案で市場を拡大するのは我々メーカーが最も得意とすることですし、これにより需要拡大につなげていくことが本来のミッションだと考えますので、これからも継続して提案していきます。
「トップ HYGIA 衣類・布製品の除菌・消臭スプレー」も菌やウイルスから衣類を守るという『予防発想』に立った、提供価値の高い製品です。こうした製品が消費者から支持されているというのは、我々にとって非常に嬉しいことです。
このように、付加価値型・市場創造型製品は、投入・育成・定着という面でしっかりと結果が出ていますし、汎用価格帯の価格安定化の面でも結果が出てきています。このことが大幅な増益に寄与しました。
【その他の質問事項】
◎海外事業は2ケタ増収継続で盤石、「システマ」を全ての進出国に投入
――海外事業の量的な成長に向け、進捗状況はいかがですか。
――通販事業の現状についてはいかがですか。
◎取引制度改定が早くも業績に寄与、目指すゴールに向け着実な歩みを
――昨年7月に実施した「取引制度改定」について現時点でどのように評価していますか。
――昨年の実績は第3四半期まで増収大幅増益と好調でした。敢えて課題を挙げるとどのようなことになりますか。
◎「収益性向上」に一定の手応え、組織改正で更なる成長の加速を
――今年1月1日付で組織を大幅に改正されますが、その狙いについて教えてください。
◎濱社長自らが旗振り役となり、店頭起点でのSCM改革を推進
――返品削減や在庫削減に向けた取り組みについて教えてください。
――2014年の抱負についてお聞かせください。
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この記事は週刊粧業 掲載
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