コスメティックサロン可保、専門店らしさ追求して原点回帰

週刊粧業 2015年12月7日号 5ページ

カンタンに言うと

コスメティックサロン可保、専門店らしさ追求して原点回帰
 「コスメティックサロン可保」は、町田に40年近く存在するショッピングビル「町田ジョルナ」に店を構えてから38年が経つ。

 本店と支店が同じ市内の原町田四丁目商店街と仲見世商店街にあり、地域一体型店舗として展開してきたが、現在は「可保」に一本化して、ジョルナの買い物客を集めている。

 ショッピングビルのターゲットが10代~20代を中心とした若い世代に設定している中、同店はいかにして顧客を獲得しているのか。田中ゆかり店長に話を伺った。

ドラッグストアに対抗するため
中心はカウンセリングブランドへ

 「可保」の本店舗は、古くから町田の発展とともに歩んできた化粧品専門店「なるとや」だった。

 38年前、ジョルナに出店するにあたり、若い人にも溶け込めるようオシャレな店名を特別につけることになり、短歌が趣味の田中店長の祖母がペンネームで使っていた名前を借りて、今の店名になった。

 ジョルナには中高生の間で人気のアパレルブランドや雑貨店が多く、若い世代の買い物客が目立つ。

 しかし、同店では、資生堂の「ベネフィーク」「クレ・ド・ポー ボーテ」「キオラ」「リバイタルグラナス」「dプログラム」「マキアージュ」「インテグラル」「マジョリカ マジョルカ」、コーセーの「プレディア」、アルビオンの「エクサージュ」「イグニス」「エレガンス」など、カウンセリングを推奨するブランドを中心に扱い、専門店らしさを前面に訴求した店づくりをしている。

 そのため、ドラッグストアなどのセルフ販売に慣れている女性には、少し敷居が高く感じられている。

 これは、田中店長曰く「あえての策」だという。

 同店も開店当初は「レブロン」や今は撤退した「クレージュ」など、若い女性に人気が高く、主にバラエティショップで販売しているような化粧品ブランドも扱い、専門店とバラエティショップが融合したような店舗形態をとって、若い女性も入りやすいようにしていた。

 しかし、その形態では専門店が得意なスキンケアの顧客と、気になったメークを1品ずつ買っていくフリー顧客で顧客層が二極化し、固定客を育てにくいという課題も生まれた。

 さらに品揃えと値引きを集客の手法に取り入れるドラッグストアが頭角を現しはじめたことも重なり、同店への客足は目減りした。

 しかも町田市は他の地域と比べてみてもドラッグストアが密集しており、ドラッグストア同士による客の奪い合いが激しい地域でもあった。

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