コーセー、グルコシルナリンギンにエイジングケア効果を確認

粧業日報 2020年4月9日号 4ページ

コーセー、グルコシルナリンギンにエイジングケア効果を確認
 コーセーは、同一人物由来の加齢モデル細胞を用いて、グルコシルナリンギン(GN)に、真皮弾性線維構成成分「フィブリリン-1」の加齢に伴う形成不良を改善する効果を見出した。

 さらに、当該成分にコラーゲンの産生を促進する効果も確認しており、シワやたるみの要因にアプローチする素材として期待できることから、同研究成果は今後の新商品へ応用していく。

 同社は、これまでシワやたるみの発生メカニズムの解明や有効なアプローチ方法の開発のために、皮膚の構造や弾力を維持する上で重要な真皮弾性線維とその主要構成因子「フィブリリン-1」に着目した研究を重ね、加齢に伴うフィブリリン-1の微細な線維である細線維の形成不良や立体構造の変化を明らかにしてきた。

 今回、同一人物由来の加齢モデル細胞を用いてGNの作用を検討した結果、加齢によって不均一化するフィブリリン-1細線維の正常な形成を促す効果を見出した。

 同社は、フィブリリン-1細線維の加齢変化について、同一人物由来の加齢モデル細胞系列を用いた研究を行い、老齢細胞では若齢細胞と比較し不均一な細線維が形成されることを明らかにした。これにより、GNはこの変化に対して有効にアプローチする素材として期待されるという。

 また、肌のハリや弾力に関与するコラーゲンへの効果について線維芽細胞を用いて検討した。その結果、GNにコラーゲンの産生を促進する効果を確認した。さらに、細胞接着関連因子の遺伝子発現量を増加させ、線維芽細胞とコラーゲン線維との接着を高める効果を見出した。

 真皮のコラーゲン線維量は加齢に伴い減少するため、線維芽細胞が作り出すコラーゲン量を増やすことが重要であり、コラーゲン線維と細胞の接着はコラーゲンの産生など正常な細胞機能の維持に不可欠であることから、GNは線維芽細胞に働きかけ、真皮のコラーゲン線維形成に有効であることが期待される。

 シワやたるみは、弾性線維、コラーゲン線維や線維芽細胞などが複雑に変化しながら生じることから、同社ではそのメカニズムの解明や有用な成分の開発のために、1990年代から弾性線維、コラーゲン線維や線維芽細胞をターゲットにした真皮の研究を続けてきた。

 中でも、真皮構成成分の加齢変化を詳細に解析し、紫外線による光老化メカニズムの解明や同一人物由来の加齢モデル細胞を用いた老化研究を推進。これらを改善する方策を検討してきた。

 GNは、線維芽細胞の機能を高め、フィブリリン-1細線維の正常な形成やコラーゲンの産生を促すことから、エイジングケアの新たな素材として期待される。

 同社は、今後もシワやたるみの発生メカニズムの解明に取り組み、肌悩みに応えるエイジングケア化粧品の開発を行っていく。
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