資生堂は、レチノールを有効成分とした新しい製品で「しわを改善する」効能効果の承認を厚生労働省から受けた。
同製品は、9週間の使用でシワグレード4レベルの深いしわを改善する有効性が認められたことから、今後はさらなるアンチエイジング領域の研究を進め、スキンケア製品に応用していく。
日本香粧品学会が策定した「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」に従い、目尻に浅いしわからやや深いしわが認められる健常な日本人女性(年齢37歳~54歳、平均年齢46歳)で有効性試験を行った。
研究では、「有効成分レチノールを配合した同製品」と「レチノール無配合品」を9週間使用してもらい、しわ改善効果について皮膚科専門医による判定と機器による解析を行った。
その結果、同製品の9週間使用後には目尻の線状の深いしわ、目周りのちりめん状のしわが顕著に改善した。機器による解析から同製品は無配合品に比べてしわが減少しており、しわ部分の3次元画像からも顕著な減少が認められた。
また、実効感についてもアンケートで検証した結果、同製品にしわの改善を実感することが認められた。
同社では長年のレチノール研究で培った製剤化技術を応用し、同成分を分解させることなく安定的に配合し、製造することに成功。肌あれの有効成分として医薬部外品に配合し、さらにレチノール製剤だけに使用する独自の容器も開発してきた。
このような製剤化技術、容器開発により安定性を担保し、同社ではレチノールを医薬部外品・有効成分として配合することが国内で唯一認められている。
今回は、レチノール配合製品が培養したヒトの表皮角化細胞でヒアルロン酸の産生を増加させ皮膚に柔軟性を与えて、しわの改善が実証されたことから、「しわを改善する」効能効果の承認を厚労省より受けた。
化粧品の人気成分「レチノール」の効果や使い方・注意点について解説!
こちらのコーナーでは、化粧品の人気成分「レチノール」の効果や使い方、注意点について解説していきます。
レチノールとは?
レチノールはビタミンAの一種で、スキンケア成分として高い人気を誇ります。主にエイジングケア(年齢に応じたケア)や肌のターンオーバーを促進する効果があるため、多くの化粧品に配合されています。
レチノールの主な効果
1.シワやたるみの改善
レチノールは肌のコラーゲン生成を促進し、弾力を保つのに役立ちます。その結果、小ジワやたるみの改善が期待できます。
2.肌のターンオーバー促進
レチノールは古い角質を取り除き、新しい肌細胞の生まれ変わりを助ける働きがあります。これにより、肌のキメが整い、透明感のある肌に導きます。
3.毛穴の詰まりやニキビ予防
ターンオーバーの促進により、毛穴が詰まりにくくなり、ニキビの予防や改善に効果が期待できます。
4.シミ・くすみの改善
メラニンの生成を抑え、色素沈着の改善に効果があるため、シミやくすみ対策にも有効です。
レチノールの使い方と注意点
1.使い方のポイント
✅夜に使用する→ レチノールは紫外線に弱いため、夜のスキンケアで使うのが基本です。
✅化粧水の後に使用→ 化粧水で肌を整えた後、美容液やクリームの形で使用します。
✅少量から始める→ 初めて使う場合は、肌が敏感に反応することがあるので、週2~3回の使用からスタートし、慣れてきたら毎日に増やしていきます。
✅保湿をしっかり行う→ レチノールは肌を乾燥させることがあるため、ヒアルロン酸やセラミド配合の保湿剤を併用すると良いです。
✅日中は日やけ止めを必ず使用→ 肌が紫外線の影響を受けやすくなるため、SPF30以上の日やけ止めを塗ることが重要です。
2.レチノール使用時の注意点
✅赤みや皮むけが起こることがある→ 初期反応として、一時的に赤みや乾燥、皮むけが起こることがあります。ひどい場合は使用頻度を減らしましょう。
✅敏感肌の人は低濃度から試す→ 低濃度(0.1%以下)の製品からスタートし、肌の状態を見ながら濃度を上げるのがおすすめです。
✅妊娠・授乳中の使用は控える→ 高濃度のレチノールは胎児や乳児への影響が懸念されるため、使用を避けましょう。
まとめ
✅ レチノールはシワ・シミ・ニキビなど幅広い肌悩みに効果的
✅ 最初は低濃度・低頻度でスタートし、徐々に慣らすことが大切
✅ 乾燥しやすいので、しっかり保湿&日やけ対策を忘れずに
レチノールを上手に取り入れて、健やかな肌を目指しましょう!