韓国において日本の化粧品は品質がよいというイメージが強い。同じアジア人種なので基礎化粧品は韓国人の肌に合い、なおかつメークアップ製品は品質の高さと独特なデザイン、斬新なアイデアなどで人気を集めている。
最近は韓国ブランドも人気が高まっているし、原発問題で日本製品全般に対する不安感はあるが、それでも認知度の高いブランドは継続的に韓国市場に挑戦して成果をあげている。
韓国で販売されている日本ブランドは百貨店、免税店を中心に展開している「SK-Ⅱ」「シュウウエムラ」、通信販売を中心とする「DHC」「オルビス」、免税店やドラッグストアなどで販売されている「資生堂」などがある。
●韓国で売れているブランドのマーケティング
韓国で一番成功したと言われているP&Gの「SK-Ⅱ」は、その理由としてブランドマーケティングがあげられる。約8兆ウォンの韓国化粧品市場は高価格帯と低価格帯に大別され、ともに高い成長を遂げているが、「SK-Ⅱ」は高価格なプレミアム市場に効率的に投資を集中させたと言える。
念入りな消費者調査、美しいデザインの容器、高品質、高級感漂うショップ、スターマーケティングを適切に活用した広告戦略で顧客に信頼を与え、高価格にもかかわらず、韓国大手百貨店の売上げ上位につけている。
最近では韓国ブランドが「SK-Ⅱ」を意識したデザインを取り入れた製品をリリースし、「SK-Ⅱ」の空き瓶と自社製品を交換するキャンペーンを実施したことで、プレミアムブランドとしての「SK-Ⅱ」の存在感を再認識させた。
日本でも通信販売で有名な「DHC」は韓国でも日本同様の戦略で主に20~30代の女性をターゲットに通信販売市場を開拓してきた。特にサンプルマーケティングを通じて消費者を集め、女性に好感のあるトップモデルを起用して消費者との距離感を縮めた。インターネットと電話を利用した通信販売で流通マージンを減らし、リーズナブルな価格で商品を提供している。
リピート率が高いのは顧客一人ひとりの肌タイプなどの情報を記録するとともに、製品情報を会員に提供して顧客とのコミュニケーションを維持しているためである。現在は一部で、直営のオフラインショップも運営している。オルビスも同じく通信販売で韓国市場に進出している。
吉田武史
吉田法務事務所代表、日本薬事法務学会理事長
東京理科大学薬学部在学中に行政書士国家試験に合格し、吉田法務事務所を開業。卒業後は薬剤師とのダブルライセンスで薬事許認可業務の代行申請、コンサルタント業をスタート。薬事専門の法務家として、国内外で活動中。今年8月には日本で初の薬事法専門の学会である「一般財団法人日本薬事法務学会」を設立。
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