資生堂、IFSCC大会初となる最優秀賞全3部門を独占

資生堂、IFSCC大会初となる最優秀賞全3部門を独占

 資生堂は、化粧品科学技術の領域で世界で最も権威のある研究発表会「第26回IFSCC大会」において、「口頭発表基礎部門」「口頭発表応用部門」の最優秀賞、およびポスター部門の最優秀賞にあたる「ポスター部門賞」を受賞した。

 同社の最高賞受賞は、第24回、第25回に続く3大会連続、通算13回目で国内外の化粧品メーカーとして最多。また、全3部門で最高賞を独占したのは同社が初めてとなる。今大会には、348テーマ(口頭発表66、ポスター発表282)のエントリーがあった。

 口頭発表基礎部門・最優秀賞には、受賞テーマ名「NMF産生酵素の発見と新たな肌あれメカニズムの解明」(発表者=資生堂リサーチセンター日比野利彦研究員)が選ばれた。

 相模女子大、北里大との共同で、肌の重要な機能のひとつである、保湿機能に深く関与しているNMF(天然保湿因子)の産生をコントロールしているNMF産生酵素を世界で初めて発見。このNMF産生酵素のはたらきと、典型的な乾燥肌疾患(バリア病)が密接に関係していることを証明し、肌の正常な機能を維持する基本メカニズムを解明した。

 口頭発表応用部門・最優秀賞には、受賞テーマ名「2相分離機構を用いたカップに付かない口紅の開発」(発表者=資生堂リサーチセンター池田智子研究員)が選ばれた。

 理想的な口紅は、「つや」と「うるおい」があり、しかも食事したときなどに「カップなどに口紅が付着しない」機能があることが要件だが、これまで、これらを完璧なかたちで両立することは困難だった。しかし、唇に塗ったあとに色材を含む液晶を形成する相(唇側)と、透明な油分の相(表面側)に分離させる技術を確立し、理想的な口紅の開発に成功した。

 ポスター部門賞には、受賞テーマ名「オイルを透明なとろみ状にジェル化する新規な自己組織構造体と化粧品への応用」(発表者=資生堂リサーチセンター松尾玲研究員)が選ばれた。

 これまで粘度の低いオイルをとろみのあるジェル状にする技術がなく、新規な性状や使用感触、さらに機能を付与した製品を開発することは大きな課題となっていた。

 今回、水になじみやすい親水部の両側に、油になじみやすい親油部を結合した「トリブロック型コポリマー」の開発。粘度の低いオイルを主成分とした、とろみのあるジェル状の製品開発を可能にした。

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