今回の震災で日本にはかつて体験したことのない未曽有の試練が訪れている。資生堂グループは、引き続き被災地の方に全社をあげて精いっぱいの支援を行っていくと同時に、本格的な復興に向け全社一丸となってこの難局を乗り切っていくことを共に誓いあいたい。
晴れて入社を迎えられたことへの「感謝」と、社会人になることの「責任の重み」を改めて考え、社会と向き合って頂きたい。社会や他人に想いを馳せ、我々一人ひとりの力を尽くしていこう。
資生堂の社員となる皆さんに期待したことは、3点ある。
1つ目は「お客様を想い、お客様の期待を超えること」。お客様の美しさを願い、お客様が抱かれている「期待を超える感動をお届する」ことが資生堂の企業活動の原点である。
これからの長い資生堂生活の中で、様々にある分野のどのような仕事を担っても、自分の最善を尽くし、それぞれの職場で常にお客様の満足と感動を追求し続けてほしい。そして、この仕事がお客様の喜びに繋がっているかどうか常に考えてほしい。これが私たちの目指す「お客様志向」だ。
2つ目は、「夢を持ち、夢に挑み続けること」だ。社会人になってからも自分の夢を持ち続けることが大切である。組織の中で経験を積んでいくと、壁にぶつかってくじけそうになることもあるが、それでも夢を持ち、その夢に挑み続けることで人は成長する。
将来何をしたいか考えるのではなく、将来どういう姿でいたいかを踏まえ、今何をするか考えられる人であってほしいと私は願っている。
3つ目は「人を大切に、人に優しくすること」。企業にとって、最も大切な経営資源は「人」である。「人」には「心」があり、「夢」を持ち、「無限の可能性」を秘めている。どんな仕事も決して一人では完結しない。
自分がしてもらって嬉しいことを、相手にもしてほしい。感謝の気持ちを常に持ち、人に優しくできる気持ちや行動で当社や社会全体を満たして頂くことを、心から願っている。
資生堂は、目指す姿として「日本をオリジンとし、アジアを代表するグローバルプレイヤー」になることを掲げており、10年前には約1割程度であった海外売上比率も、今や4割を超えている。
「異なる価値観」を認め、受け入れ、尊重し合う「ダイバーシティ(多様性)」の視点を大切に、常にグローバルな視点で物事を考えてほしい。
この記事は週刊粧業 掲載
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