化粧品容器メーカーの三葵コーポレーションは、関連会社であるエス・アイ・シー、タイサンキコーポレーションとともに、「CITE JAPAN2021」に出展し、環境対応素材を使った化粧品容器やナノバブルを発生させる新型容器などを紹介する。
同社は、愛知・岡崎市内に化粧品容器の自社工場を持ち、メーク用コンパクトやボトル容器の企画開発・製造を行っており、今年10月に設立60周年を迎える。
近年は化粧品容器の環境対応に向けた取り組みを強化しており、展示会では、ロングセラーから最新の環境配慮型容器まで幅広く紹介する。
ボトル容器では、植物由来の原料を使用したバイオマスボトルや、リサイクルペット、燃焼時のCO2排出量を大幅に削減する新素材「グリーンナノ」など様々な環境対応素材を使った規格型エコボトルシリーズのラインナップを拡充している。
ボトルのキャップも環境対応素材を用いたものを展示し、環境配慮のトータル提案を行う。
主力のメーク用コンパクトでは、樹脂や鏡、金属など素材が異なるパーツから成ることに着目し、廃棄する際にパーツを分解・分別して捨てられる環境配慮型コンパクトを開発中だ。展示会では、モックを展示し、来場者の反応や意見を得て製品化を目指す。
「デザイン性」と「エコ」を両立したコンパクトの製品化も進む。コンパクトの表面部分に再生紙を使用し、プラスチック使用量を削減する。紙なのでデザイン性の高い印刷が可能で、見た目の差別化も実現する。
「自社工場を持つ強みを活かし、様々な角度から環境問題を捉え、高品質でコストパフォーマンスに優れた新製品を生み出していく」(同社)
さらに、コロナ禍で開発を進めてきた新製品として、ナノバブル発生装置(2種、写真)を提案する(ともに特許申請中)。
液体中に存在する微細な気泡(ナノバブル)は、高い洗浄性や浸透性を有し、これまで水道水や洗濯機、トイレなど水回りの掃除家電などに応用されている。
ビューティケア領域では、肌の奥(角質層)まで浸透し、肌の洗浄性や保湿性を高める効果が期待できる。近年は、ナノバブルを発生させるシャワーヘッドなど美容機器が人気を集めている。
その効果実感の高さから、化粧品での応用化が期待されているが、基礎化粧品の使用目安となる1~1.5カ月間にナノバブルを持続発生させることが難しかった。
同社が開発したナノバブル発生装置は、ポンプの柄に付属するスクリュータイプと穴あきボールタイプの2種類。第三者機関による評価試験では、水1mL中に1億個のナノバブルを持続発生させることが認められた。
クレンジングオイルへの導入事例では、一般的なクレンジングオイルに比べ、皮膚表面の摩擦回数を3割減らしてメークを落とすことが確認されたほか、界面活性剤の使用量を低減してもクレンジング機能を維持することが認められ、肌に負担の少ない化粧品の開発を実現する。