花王は、「グローバルで存在感のある会社」を目指し、「ファブリック&ホームケアの盤石化」を成長戦略の1つに位置づけている。また、国内市場でのさらなる成長に向けニッチな分野の探索にも努めている。
吉田勝彦常務執行役員(現 代表取締役 専務執行役員)に研究開発の現状と今後の展望について話を伺った。
「目に見えない汚れ」「いい香り」
「除菌・抗菌」へとニーズが変遷
――ファブリック&ホームケア領域における研究・商品開発の現状の取り組みについて教えてください。
吉田 環境問題やユニバーサルデザイン(UD)については、全事業ユニットが一丸となって取り組んでいます。中でも、ファブリック&ホームケア領域は、消費量が多く、年代も広範囲にわたるカテゴリーであるため、その取り組みは最も進んでいます。
ファブリック&ホームケア領域では、「汚れのライト化」「温暖化」「マンション等の密閉空間における除菌意識の拡大」といった3つの要因により、「目に見える汚れより目に見えない汚れ」「防臭・消臭の延長線上にあるいい香り」「除菌・抗菌」といった方向にニーズが移ってきています。
身の回りの心地よい暮らしを追い求める中で、香りを楽しみたいというニーズが高まってきていますので、香り製品を広げています。
一方で、香りが苦手という方もおりますので、強めの香りの柔軟剤には、周りの方に配慮していただけるようラベル表記に加えることも新たに行っています。
また最近では、若年層を中心に家事を「簡単・便利」に行いたいというニーズが増えています。
共働き世帯が増えつつある中、家庭生活の中で一家の団欒がメインテーマになっており、いかに短時間で家事を済ませられるかに多くの生活者の関心は移っています。
そのため、「環境・UD視点」「身の回りの心地よい暮らし」「簡単・便利」という3つの方向性で商品開発を進めています。
――今年度の大型商品「ウルトラアタックNeo」は、どのようなポイントを押さえて開発されたのでしょうか。
吉田 ウルトラアタックNeoは、生活者の家事負担を軽減することで、生活にゆとりを持ってもらうというコンセプトを新しく提案しました。
例えば、洗濯時間が短くなれば、その分子どもと触れ合う時間を増やせますし、就寝時間を早めることもできます。週末にまとめ洗いをされる方には、これまで半日以上かけていた洗濯時間を短縮することで、午後から外出できる機会をつくることができます。
家事負担の軽減により生活がもっと豊かになるということが大きなポイントであり、最終的に目指しているところです。
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この記事は週刊粧業 2013年10月21日号 10ページ 掲載
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