日本歯磨工業会 濱田会長、歯と口腔の健康から快適な生活と健康寿命の延伸を

週刊粧業 2020年1月1日号 16ページ

日本歯磨工業会 濱田会長、歯と口腔の健康から快適な生活と健康寿命の延伸を
 現在、歯ミガキ剤市場は堅調に推移しており、12年連続で前年を上回り、2018年度は前年比102%で過去最高となる1379億円の出荷金額を記録しました。

 2019年度の上期も継続して成長しており、その他カテゴリーを含むオーラルケア市場全体も活発な状況が続いています。

 この状況には様々な背景が考えられますが、一例として、健康日本21に代表される国の施策の充実、歯科医や歯科衛生士を中心としたプロフェッショナルによるオーラルケアの重要性の啓発が挙げられます。

 また、口腔環境やライフステージごとのニーズに合ったオーラルケア製品を選ぶというセルフケア意識の高まりがあると考えられます。

 そして、会員各社がこれに応えるべく、研究開発やマーケティング活動に努めたことが市場成長の要因であり、そこには関係行政、関係団体、賛助会員の皆様の多大なるご支援があったからこそと、改めて感謝申し上げます。

 特に、昨年は前年に続き、関係行政、団体のみなさまとの協力により、タイ、マレーシアをはじめとしたアジアの行政、歯科医療関係者との情報交換会の運営に参加し相互の交流に努めました。このような情報交換を今後も継続し、アジアの口腔衛生の活性化に結びつけていきます。

 ところで、2018年の日本人の平均寿命は、男性が81.2歳、女性は87.3歳と、いずれも過去最高を更新し、世界トップクラスの長寿国となっています。

 しかし、平均寿命と16年時点の健康寿命を比較しますと、その差は男性が9.1年、女性が12.5年となっており、その差は縮まる傾向にあるものの依然として大きいのが現状です。

 健康寿命を延ばし、健康長寿社会をつくることは国の課題でもあります。

 特に、「歯と口腔の健康」においては、子供から大人までの全世代にわたり、う蝕予防や歯周病予防などの口腔衛生意識を高め、超高齢化社会に備えるためのオーラルフレイルの予防啓発への取組みなど日常生活の中に浸透させていくことが重要であり、これらを進めることは、現在、そして将来の生活習慣病等の全身疾患の予防に繋がり、国民の健康増進・健康寿命の延伸に貢献することになります。

 日本歯磨工業会は、このような国民の皆様の健康意識の高まりをふまえ、「歯と口の健康を通じて、人々の快適な生活の実現と健康寿命の延伸に貢献する」を使命として、本年もこの使命を果たすべく、積極的な活動に取り組んでまいります。
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