第16回 疑心暗鬼の中国市場で「安心」を旗印に巻き返しを

 2013年4月、中国はミネラルウォーター『農夫山泉』の品質問題で騒然となりました。ミネラルウォーターの大手メーカーである農夫水泉は、「上質で美味しい水」をキャッチコピーに中国全土で売られています。

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 中国渡航経験のある方なら一度は見かけたことがあるブランドではないでしょうか? その水の製品基準がなんと「水道水にも満たないレベル」と報道されたのです。この水は、ある程度健康に気を使う人が選ぶ水であり、かくいう私も健康と美容のためにと毎日2リットル以上飲んでいた水なのです。

 この騒動は、北京の新聞『京華時報』が「農夫山泉は国家基準の『生活飲用水基準』ではなく、浙江省が定めた『ミネラルウォーター基準』に準じて生産されており、国家基準が定めたヒ素、カドミウム等の含有量制限を満たしていない」と指摘したことに始まりました。これに対し農夫山泉は「この報道は意図をもって練り上げたものだ」と激しく反論し、更にこれに業界関係者やメディアも参入し騒ぎがどんどん大きくなっていきました。

 結局、原因究明はされないまま農夫山泉は北京工場を閉鎖し、京華時報に対し損害賠償請求を提訴したところで何となく収束に向かいました。

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沖野真紀

中国女性市場専門調査会社 (株)ブルームス代表取締役

定性調査に特化したインサイトマーケティングを得意とする。また、日本とアジアのメディアで美容通としても活躍中。その知見と現地調査でアジア女性の美容ニーズの分析に努めている。

http://blooms.jp.net/

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