【殺虫剤・防虫剤】市場規模・トレンド・ニュースランキング

こちらのコーナーでは、「【殺虫剤・防虫剤】市場規模・トレンド・ニュースランキング」と題し、市場トレンドや参入各社の取り組みについてまとめています。


殺虫剤の市場規模

日本の殺虫剤市場は、農業用および家庭用の2つの主要なセグメントに分かれています。

1. 農業用殺虫剤市場

農業用殺虫剤は、日本の農業において重要な役割を果たしています。農薬全体の市場規模の一部として扱われ、殺虫剤はその中でかなりの割合を占めます。2020年の統計によると、日本の農薬市場全体の規模はおおよそ4,000億円程度でした。殺虫剤はこのうち20%から30%を占めるとされているため、農業用殺虫剤市場の規模は約800億円から1,200億円程度と推定されます。

2. 家庭用殺虫剤市場

家庭用殺虫剤には、蚊取り線香やスプレータイプの殺虫剤が含まれます。家庭用殺虫剤市場は、季節性があり夏季に需要が高まる傾向があります。2020年のデータによると、家庭用殺虫剤市場の規模は1,200億円とされています。

3.まとめ

農業用と家庭用を合わせると、日本の殺虫剤市場の規模は、年間で約2,000億円から2,400億円程度になると推定できます。

防虫剤の市場規模

日本の家庭用防虫剤市場は、消費者の健康志向や環境意識の高まりを背景に、製品の多様化が進んでいます。無臭タイプ、天然成分を使用した製品の普及により、年々微増傾向が見られます。

エステーによると、2023年の防虫剤市場規模は202億円(インテージ SRI⁺「衣類用防虫剤(人形用を除く)」(2023年1〜12月で集計)※市場規模は「推計販売規模(累計)」)で、エステーが市場シェア№1(52%)を誇っています。

1.市場のトレンド

無臭タイプの増加:消費者が香りの強い製品を避ける傾向があるため、無臭タイプの防虫剤が人気です。

天然成分の需要:環境や健康への意識の高まりに伴い、化学成分を含まない防虫剤の需要が増加しています。

長期間効く製品:防虫剤の効果を長持ちさせることができる商品も注目されています。

2.まとめ

これにより、家庭内での防虫対策に対する関心が高まり、防虫剤市場は安定した需要を保っています。


殺虫剤・防虫剤市場の最新トレンド

日本の殺虫剤・防虫剤市場では、近年の消費者ニーズや社会的な変化を背景に、さまざまな新しいトレンドが見られます。特に、環境意識の高まりや健康への配慮、技術の進展による製品革新が注目されています。

1. 天然成分を使用した製品の人気拡大

環境保護や健康志向が高まる中、天然由来の成分を使用した殺虫剤・防虫剤が注目されています。従来の化学薬品に頼る製品に対して、安全性を重視する消費者が増えており、植物エキスや精油など、自然に由来する成分を用いた製品の需要が拡大しています。特に、小さな子どもやペットのいる家庭では、こうした製品が好まれる傾向にあります。

2. 無臭・低刺激製品のトレンド

消費者が香りや刺激に敏感になっていることから、無臭タイプや低刺激の殺虫剤・防虫剤が広く受け入れられています。特に衣類用の防虫剤では、強い匂いを嫌う人々やアレルギーを懸念する層が増えており、こうした製品の人気が高まっています。

3. 環境に優しいエコロジー製品

プラスチック削減やリサイクル可能な素材を使用した環境に優しいパッケージングや、製品そのものが環境に配慮したエコロジー製品の市場が拡大しています。生分解性のある素材を使った防虫剤や、再利用可能な容器を使用した製品が増加しています。

4. IoT技術を活用したスマート製品

技術の進展により、IoT技術を活用したスマート防虫・殺虫システムが市場に登場しています。これらの製品は、スマートフォンと連携し、リアルタイムで害虫の動きを監視したり、自動的に駆除するシステムが含まれています。

5. 多機能型製品の人気

消費者のニーズに応えるため、1つの製品で複数の機能を持つ多機能型防虫剤や殺虫剤が人気を集めています。例えば、衣類の防虫と消臭を同時に行う製品や、除湿機能と防虫効果を兼ね備えた製品などが市場に増えています。

6. 季節に応じた製品ラインアップの強化

防虫剤・殺虫剤の需要は、特に春から夏にかけての虫の発生時期にピークを迎えます。このため、季節ごとに最適化された製品が投入されています。春夏は蚊やハエ、ゴキブリ対策製品が中心となり、秋冬にはダニや衣類害虫対策が強化される製品が登場しています。また、季節限定のデザインや香りの製品も、消費者の購買意欲を高めています。

7. オンライン販売の増加

コロナ禍の影響もあり、オンラインでの購入が増加しています。消費者はインターネットを通じて口コミや製品評価を参考にしながら、自宅から簡単に殺虫剤・防虫剤を購入するようになっています。メーカー側もオンライン販売を強化し、定期購入やまとめ買いによる割引などのサービスを提供することで、リピーターを増やす戦略が取られています。

8. デザイン性の向上

家庭内に置く防虫剤や殺虫剤は、デザイン性が重視されるようになっています。目に見える場所に置かれることが多いため、インテリアに馴染むおしゃれなデザインや、シンプルでモダンな外観の商品が増えています。また、キャラクターコラボ製品や、季節限定のパッケージなど、消費者の視覚的満足度を高める取り組みも行われています。

9.まとめ

日本の殺虫剤・防虫剤市場は、環境配慮や健康意識の高まりを受けて、天然成分や無臭・低刺激製品が主流となりつつあります。また、IoT技術を活用したスマート製品や、多機能型製品、さらにはデザイン性を重視した商品も増加しており、消費者の多様なニーズに応える進化が続いています。

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