C&T 2024年9月17日号 38ページ
カンタンに言うと
今年4月1日に創業50期目の節目を迎えたホシケミカルズでは、化粧品製造の全てをワンストップで網羅する体制をより強固にすべく、同日にグループの組織改編を実施した。商品企画・営業・研究開発を手がける「ホシケミカルズ」と、国内製造拠点の「スターラボ・ホールディングス」、PT. KEMAS INDAH MAJU(インドネシア)と設立した化粧品容器製造の合弁会社「PT. STARPACK INDAH MAJU」の3社からなる「スターラボ・グループ」の主な概要と、新たな組織体制のもとで開発された最新のODM製品について、販売推進チーム 広報主任の平地祥子氏に話を伺った。
スターラボ・グループでは、スターラボ・ホールディングスが有する国内4工場(オーラコスメティックス(群馬/スキンケア・ヘアケア)、エステノーバ(埼玉/同)、スターパック(東京・埼玉/メークアップ))と、化粧品容器の開発・製造・一部メークアップ品の充填に特化した海外1工場(PT. STARPACK INDAH MAJU)計5カ所の製造拠点に、商品企画や営業、原料商社、研究所(東京・埼玉)の機能を持つホシケミカルズが連携し、1つのグループ組織でモノづくりを行っている。
平地氏は、スターラボ・グループが組織改編を実施した背景について次のように説明する。
「数年前からD2Cで化粧品ビジネスに参入されるパターンが増えている。自社工場を持たないファブレスメーカーの場合、OEM会社の社名や住所が製造販売業者として記載され、発売元と併記されるパターンが多い。化粧品製造販売業許可を持たないクライアントからの依頼が増えれば、必然的に製造販売元として社名が出る機会も増えてくる。そうした中で、スターラボ・グループはこれまで各製造拠点を公にしておらず、ホシケミカルズが商品企画から研究開発を手がけたOEM・ODM製品の製造販売元として『オーラコスメティックス』『エステノーバ』『スターパック』が記載されることが多く、ホシケミカルズと同じグループであることが理解されにくい状況にあった。そこで、今回の組織改編により各製造拠点を公にすることで社外に向けてアピールし、従来のBtoB向けだけでなくtoC視点を含めた両軸で『スターラボ・グループ』が製造しているという安心感を与えたいという意図があった」
スターラボ・ホールディングスの国内4工場では情報発信の強化に注力し、オーラコスメティックス・エステノーバの2工場でホームページを公開している。年内にはスターパックのホームページも開設し、設備面などの製造環境を詳細に紹介していく。
ホシケミカルズではこのほど、有効成分「ナイアシンアミド」を配合した医薬部外品のODM製品で、1品でシワ改善と美白にWアプローチする「薬用エッセンスna」「薬用ジェルクリームna」を開発した。
ナイアシンアミドの効果効能としては、コラーゲン産生促進によるシワ改善効果や、メラノソーム輸送を抑制して肌表面の色素沈着の発生を防ぐ美白作用に加えて、紫外線ダメージ保護作用、セラミド・フィラグリンなどの産生促進によるバリア機能改善作用が確認されているデータもある。
薬用エッセンスnaは、とろみのあるローション剤型のため、化粧水や美容液として商品設計が可能だ。リッチなテクスチャーと保湿感で、ハリと透明感のあるうるおい肌へと導くという。
薬用ジェルクリームnaは、水分と油分の絶妙なバランスで「コク」と「伸びの良さ」を両立した重すぎない使用感が特長で、肌のハリや透明感を高める。
この2品には、医薬部外品専用成分で、漢方でも使用される山茱萸(サンシュユ)の果皮から得られるエキスで、肌のバリア機能を改善する表皮細胞成熟化やメラニン合成抑制作用を持つ「サンシュユ果実エキス」と、ユズの果実から圧搾抽出されたフルーツ由来セラミド成分で、角質層のバリア機能を強化することで肌荒れを改善する「ユズセラミド」が特長成分として配合されている。
「ナイアシンアミドは、レチノールやビタミンCなどトレンド成分の中でも刺激が少ないと言われており、安心して使用できる。2品はいずれも最短3カ月でのスピーディーな商品化が可能だ。直近5年間(2019年~2023)で550万個の医薬部外品を製造した『スターラボ・グループ』の知見や技術を結集し、今後も真摯なモノづくりを進めていく」(平地氏)
この記事はC&T 2024年9月17日号 38ページ 掲載
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