カンタンに言うと
サンスターは、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢機構長らのグループとの共同研究にて、地域在住高齢者はオーラルフレイルを有することで、抑うつ傾向の発症のリスクが高まることを明らかにした。この研究成果は「日本老年歯科医学会第35回学術大会」(2024年6月28日~30日)にて発表された。
オーラルフレイルは、2024年4月に発出された「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント」にて「歯の喪失や食べること、話すことに代表される、さまざまな機能の『軽微な衰え』が重複し、口の機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態である」と定義づけられた。同ステートメントでは、オーラルフレイルを判定するための5つの問診項目(OF-5)が発表された。
高齢者は生活環境や身体機能の変化により、精神的な不調をきたしやすく、特に高齢期の抑うつ傾向は、日常生活の質に悪影響を与えるだけでなく、認知症発症や死亡リスクの増加と関連することが報告されており、早期予防が望まれている。そこで、問診で簡易に判定のできる口腔機能の軽微な衰えである「オーラルフレイル」が抑うつ傾向の発症リスクを高めるかどうかを研究した。
千葉県柏市在住の自立高齢者を対象に行われた研究(通称=柏スタディ)では、2012年の調査開始時に抑うつ傾向がなく、データ欠損のない1356名を解析対象とし、OF-5で判定したオーラルフレイルの有無と2018年までのフォローアップ期間中の抑うつ傾向の発症リスクについて解析した。
調査開始時、オーラルフレイルの有症率は35%であり、6年間の追跡期間中に新たに18%の人が抑うつ傾向を発症した。オーラルフレイルを有する人は、そうでない人と比較し、抑うつ傾向の新規発症のハザード比が1.53に高まることが判明した。また、「固いものが食べにくい」「お茶や汁物でむせる」と回答した人も、抑うつ傾向の新規発症リスクが高いことが判明した。
以上のことから、地域在住高齢者において、OF-5で評価されるオーラルフレイルは、将来の抑うつ傾向発症の予測因子となりうることが判明した。また、「固いものが食べにくい」「お茶や汁物でむせる」などの口腔機能の低下は、抑うつ傾向の新規発症リスクを高めることが示唆された。より早期から抑うつ傾向を予防するためにも、お口のささいな衰え(オーラルフレイル)に気づき、対策することが重要であると考えられた。
この記事は粧業日報 2024年9月18日号 2ページ 掲載
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