日光ケミカルズは、ナチュラル&オーガニック原料として、「VINIDERM(ビニダーム)」(SOLABIA社)を提案する。SOLABIA社は、植物由来原料やバイオテクノロジーを活用した原料を提案しているほか、持続可能な開発や環境対応への取り組みなどCSR活動にも積極的に取り組んでいる。日光ケミカルズでは長年、SOLABIA社の原料を国内で独占販売してきた。
「VINIDERM」は希少なポリフェノール(δ-ビニフェリン)を豊富に含有しているブドウ果汁エキスで、カジュアルワインで有名なフランスのラングドック・ルシヨン地方産のブドウの果汁を酵素処理することで得られる。
δ-ビニフェリンはブドウ果皮などに含まれるレスベラトロールを酵素反応で2量体化させたもので、強い抗酸化作用を有している。
「VINIDERM」の製造に用いる酵素は、ブドウの果皮に付着し貴腐ブドウに変えるカビの1種ボトリティス・シネレア菌から抽出した酸化酵素であるラッカーゼを用いており、SOLABIA社の特許技術でもある。同原料は抗酸化物質であるポリフェノールによりアンチエイジング効果が期待される。
「VINIDERM」の抗酸化作用について、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity)法により評価した。その結果、通常のブドウと比較し「VINIDERM」の抗酸化力が約19倍高い値を示した。
また、細胞内のエネルギー(ATP)の生成において重要な役割を果たすミトコンドリアDNAの保護作用を評価した。ケラチノサイトに0.06%のVINIDERMを添加培養し、ATP合成に関与するアコニターゼ活性を定量した。その結果、「VINIDERM」により、アコニターゼ活性が63%増大したことが確認された。
さらに、紫外線照射による損傷からの保護作用を確認するため、細胞生存率を評価した。表皮幹細胞を紫外線に照射後、0.019%および0.056%の「VINIDERM」を添加し、MTT試験により測定。その結果、0.019%添加した場合には幹細胞の生存率が51%増加、0.056%添加した場合には61%の増加が確認された。
抗炎症作用は、17μMおよび86μMの「VINIDERM」を用いてシクロオキシゲナーゼ-1, 2(COX-1, 2)の放出を、ELISA法を用いてPGF2αを定量することで評価した。その結果、「VINIDERM」により、PGF2αの濃度が低下。COX-1およびCOX-2の活性を抑制し、炎症を抑える効果が確認された。
細胞外マトリックスの保護については、弾性繊維とコラーゲンおよびヒアルロン酸に対する各分解酵素を測定することで評価した。いずれも保護作用が認められている。
Ⅰ型コラーゲンの産生促進作用を、摘出皮膚を用いて確認した。0.5%の「VINIDERM」を配合したクリームとプラセボクリームを適用、6日目にⅠ型コラーゲンを免疫標識にて定量した。その結果、Ⅰ型コラーゲンがコントロールと比較して49%増加、プラセボと比較しても35%の増加が確認された。
シワ改善作用に関する評価では、目尻にシワのある50歳以上の被験者22名を対象に3%の「VINIDERM」配合クリームとプラセボクリームをそれぞれ半顔に1日2回塗布し、56日間連用。光投影法および試験前後の写真で評価を行った。連用後には肌の凹凸の減少や深いシワの減少、小ジワが目立たなくなるなど、シワ形成の抑制と改善に寄与することが確認された(図参照)。
以上のように同原料は、抗酸化物質であるポリフェノールの持つ様々な作用により、表皮ではミトコンドリアDNAの保護や炎症反応の調節といった作用をもたらし、真皮ではⅠ型コラーゲンの産生促進、コラーゲンやヒアルロン酸、弾性繊維などの分解抑制といった作用によりシワ改善に寄与する。
「VINIDERMは、自然由来成分のみで構成されており、敏感肌の方などにおすすめしている。また、古くから健康や美容に効果があるとされ、多くの人にとって親しみのあるブドウを主成分としているということもあり、多くの引き合いをいただいている。近年、アンチエイジングへの関心はますます高まっており、老化から肌を守りたいと考える若年層からすでにエイジングサインが現れ始めた中高年層まで、幅広い年齢層にわたって需要が増加している。高齢の方だけではなく若い方にもお使いいただきたい成分である」(同社)
この記事はC&T 2024年9月17日号 28ページ 掲載
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