資生堂は、1980年のフランスでの事業開始から、今年で30周年を迎えたことを記念し、2010年9月22日から10月10日の約3週間にわたり、パリのサンジェルマン・デ・プレ地区にて「ウインドウ・ディスプレイ」による展覧会「Urban Art Box(アーバン アート ボックス)」を開催する。
展覧会では、「ウインドウ・ディスプレイ」にスポットをあて、これまで資生堂の社内デザイナーが銀座本社ビルで発表してきた「ウインドウ・ディスプレイ」から代表的な30点をパネル写真にて展示するとともに、新作として6名のフランス人若手アーティストの手による6点の「未来の資生堂」を発表する。
本展示を、ファション界だけでなく世界中からパリに注目が集まるパリコレクションの期間に合わせることで、プレゼンスのさらなる向上を図っていく。
9月23日の現地時間午後6時30分(日本時間9月24日午前1時30分)には、同社の前田新造社長出席のもと、展示会場となるサンジェルマン・デ・プレ地区のオテル・ドゥ・ランダストリーにて顧客、日仏メディア関係者など約300名を招待し、開会式典を行う。同式典では、前田社長がフランスでの30年をふりかえり、謝辞のスピーチを予定している。
同社は1980年、フランスへ進出するにあたり、「ハイクオリティー、ハイイメージ、ハイサービス」を軸としたプレステージ戦略に絞り事業展開を開始。イメージクリエイターとして起用したフランス人セルジュ・ルタンス氏は、同社がもつ東洋の「神秘性」を西洋的な解釈で表現することで、欧米の審美眼の厳しい層から高い評価を獲得。あわせて日本製品の品質の高さ、きめ細やかなカウンセリングサービスは大きな強みとなり、海外プレステージ戦略の基盤を構築した。
さらに、欧米の高級化粧品市場で大きなウエイトを占めるフレグランス市場、高級サロン向けのプロフェッショナルユースの市場へも進出。1986年にフランス・パリに高級サロンをもつ「カリタ社」を買収、1990年にデザイナーズフレグランスの企画・販売を手掛ける「ボーテ プレステージ インターナショナル」社を設立した。
2000年には、高級スキンケアブランド「デクレオール社」の75%の株式を買収し、2002年に完全買収を完了。一方、グローバル生産拠点として、1991年には「ジアン工場」、1999年には「バル・ド・ロワール工場」を設立するなど、事業の現地化も積極的に推進。現在、グローバルブランド「SHISEIDO」のフランスでの販売はデパートや化粧品専門店を中心に約1000店舗で展開する。
こうした事業活動と平行して、同社の歴史や文化を伝えるための企業文化活動も推進。1986年にはパリ広告美術館で「資生堂の美と広告1972~1986」展を、97年には「1997-1998フランスにおける日本年」の公式行事の一つとして、パリ装飾美術館で「PARIS-TOKYO-PARIS SHISEIDO 1897-1997 LA BEAUTE」展を開催し、フランスにゆかりの深い同社の歩みと日本の女性美の歴史を紹介している。
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この記事は粧業日報 掲載
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