資生堂は、来年4月1日付で前田新造会長兼社長(66)の社長兼務を解き、次期社長に魚谷雅彦マーケティング統括顧問(59)が昇格する人事を発表した。来年6月下旬の株主総会を経て、代表取締役に就任する。前田会長兼社長は来年4月1日付で会長専任となり、株主総会後は相談役に就任する。
今年4月より社長を兼務してきた前田会長兼社長は、徹底した「選択と集中」を推し進めるとともに、「成長の行く手を阻む経営課題」の解決策を講じ、将来への道筋をつけたことから、新たなフェーズを新体制でスタートし、成長を確実なものとすべく、就任から1年で社長職を後任に譲ることにした。
魚谷氏は1954年6月2日生まれ。1977年に同志社大学文学部英文学科を卒業後、ライオン歯磨(現ライオン)に入社。1994年に日本コカ・コーラ取締役上級副社長、2001年に代表取締役社長、2006年に代表取締役会長に就任している。経営者として十分な実績を有しており、特にマーケティングにおいては、「ジョージア」「爽健美茶」といったヒット商品を手がけ、その手腕には定評がある。
今年4月に資生堂のマーケティング統括顧問に招聘され、多くの社員と同社の企業理念やモノづくりにかける想いを共有しながら、主力ブランドの育成を強力にリードしてきた。高いレベルのマーケティング能力と、強いリーダーシップを有しているほか、グローバルビジネスの経験も豊富なことから、今後の同社の舵取りに最も適した人材と判断された。
魚谷氏は、「私のミッションは、前田社長が資生堂の再生に向けスタートを切った経営改革を、さらに強化・加速・発展させ、資生堂の次なるステージに向け、一層の革新と成長を実現することだ。この素晴しい資生堂を、50年後・100年後も今以上に輝きを放つ真の『グローバルカンパニー』として、大きく成長・発展できる企業にしていく」と今後の抱負を語っている。
この記事は粧業日報 掲載
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