今回取材したシンクタンク5社(富士経済、矢野経済研究所、ユーロモニター・インターナショナル、インテージ、船井総合研究所)の分析をまとめると、2013年の国内化粧品市場は美白化粧品による白斑問題の影響が大きく懸念されたものの、百貨店ブランドを中心とする高価格帯美容液のほか、CCクリームなどの新たな機能性を持ったベースメークといった美白以外のカテゴリーが好調に推移し、市場トータルではそれほど大きな落ち込みがないと見ていることがわかった。
今年の動向については、消費税率の引き上げにともなう駆け込み需要と反動減が市場に大きな影響をもたらしている。カテゴリーではメークアップが増税後の反動減から比較的早い回復を示しているが、スキンケアは今夏まで苦戦が続いているという。
また、10月に入って免税制度が改正され、化粧品も免税対象となったことから、百貨店を中心にインバウンド(訪日外国人観光客)対策を強化する動きが活発化している。
こうした「インバウンド」への取り組みだけでなく、今後は人口構成比の多くを占める50~60代をターゲットにした「シニア向け化粧品」や、近年、好調に推移し続けている「男性用化粧品」などへの取り組みを強化することで、国内化粧品市場のさらなる拡大が期待される。
【記事掲載シンクタンク】
◎富士経済~今年は増税の影響でスキンケアが苦戦も百貨店ブランドのインバウンド需要に期待
富士経済は、フィールドリサーチを基本とし、企業取材などを通して市場動向を分析している。国内化粧品市場の動向について、東京マーケティング本部第一統括部第二部の山住知之課長に話を伺った。
――スキンケアの状況についてお聞かせ下さい。
――一方で、メークアップに関してはどのような動きが見られますか。
――これまでの動向を踏まえ、今後の国内化粧品市場を分析すると。
◎矢野経済研究所~2013年度は全カテゴリーが伸長、アンチエイジングと時短ニーズは継続
矢野経済研究所は、日本における市場調査会社のパイオニアであり、これまで蓄積してきた国内産業の市場情報は多岐にわたる。さらに、中国・ASEANを中心としたアジア市場の調査分析にも精通している。今回は、ファッション&リテールグループの浅井潤司上席マネージャーに話を伺った。
――国内化粧品市場について、各カテゴリーの推移を教えてください。
今後は「男性用化粧品」「シニア」「インバウンド」が鍵に
――これまでの動向を踏まえ、今後はどのような動きが予測されますか。
◎ユーロモニター・インターナショナル~「デオドラント」「男性用化粧品」が好調、「ベビーケア」「香水」はマイナス傾向に
ユーロモニター・インターナショナル(本社=ロンドン)は世界12都市に拠点を構え、80カ国に合計約900名のリサーチャーを配置し、世界中の企業、教育機関、政府機関に国際市場および各国の消費者に関するデータを提供している。国内化粧品・トイレタリー市場の動向について、竹村真理子リサーチアナリストに話を伺った。
――今年の国内化粧品市場を振り返ると。
――これまでの動向を踏まえて、今後の市場についてどのような動きがあると考えられますか。
◎インテージ~小売店の化粧品販売規模は横ばいに、メークアップと基礎化粧品で明暗
マーケティングリサーチ大手のインテージは、消費・販売両面からの市場調査を得意とする。今回は、FMCG事業本部業務改革推進部の茜ヶ久保(あかねがくぼ)佳子グループリーダーと池田勝哉氏に、ドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニ、ホームセンターの4業態・約3100店に及ぶSRI(全国小売店パネル調査)データに基づき市場動向を分析してもらった。
――昨年度の小売店の化粧品販売規模とカテゴリーごとの動向についてお聞かせ下さい。
――一方で、基礎化粧品はどのような動きを見せていますか。
直近1年でメークアップはプラス、次回の増税では季節商材が鍵に
――今年の店頭の動向から、今後の化粧品市場ではどのような動きが予測されますか。
◎船井総合研究所~全体は低価格支持続く一方で高額品の勝機示す実例も多数
国内の経営コンサルタント企業では草分けといっていい船井総合研究所が、ビジネスジャンルを問わない多角的な視点でクライアント企業の支持を集めている。化粧品分野では、シニア経営コンサルタント小野巧策氏が旺盛な研究心を背景に精緻な市場分析をしている。
――間近な2015年を横目に、まず化粧品マーケットの現在について聞かせてください。
――明暗が交錯した実態といえそうです。
――抜け穴をくぐった成功企業はありますか。
――同社の成功から汎用のヒントを見つけ出すとしたら。
――そろそろオーガニックに普及・浸透の気配は見えますか。
この記事は週刊粧業 2014年10月27日号 18ページ 掲載
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