三葵コーポレーション、国産メーキャップ容器で高級路線へ

週刊粧業 2017年5月29日号 15ページ

カンタンに言うと

三葵コーポレーション、国産メーキャップ容器で高級路線へ


「サンキブランド」の価値向上へ
省エネ・環境への企業姿勢を明確化

 一方で、より高級な容器を追求する以上、「品質はもとより、安全性や使いやすさ、デザインなどあらゆる項目において顧客の要望を満たせるようにレベルアップしていかねばならない」と気を引き締める。

 品質向上は重点施策として継続的に取り組んでおり、今回の本社工場の増改築の狙いの一つでもある。新たな設備導入により、品質のさらなる向上に努めて返品回収・廃棄率の改善を進めていく。

 その上で、伊藤社長は「自社の取り組みだけでは限界を感じている」と話し、取引先となる本舗メーカーへの理解も求めていく考えだ。現状では、数%のミスロットで全ロット回収となり、回収率、廃棄率の改善がなかなか進まないという。本舗メーカーが自ら設けた基準・規格を重視する傾向が強まっていることも一因にあるようだ。 

 「ミスロットを限りなくゼロにしようと心がけているが、人の手が加わる仕事に『絶対』はない。ミスロットの程度にもよるが、展示サンプル用に使用するなど柔軟性のある対応も検討してもらえるよう交渉を続けていきたい」

 回収となれば、輸送エネルギーが倍に膨らみ、廃棄(焼却)のためにエネルギーもかかる。このことは、本舗メーカーの多くが推進する地球環境への取り組みにも本来関わってくることだ。近年、肌に加え、環境へのやさしさを謳う化粧品ブランドが増えてきているが、最終製品化までに関わる取引先の環境への取り組みまで気にかけている企業はどれくらいあるだろうか。

 伊藤社長は、製品の製造、物流、使用、廃棄までを一つのサイクルと捉え、企業規模ではなく、業界全体で地球環境に取り組む姿勢が高まることを切望する。その第一歩として、容器会社として環境への取り組み姿勢を明確にし、取引先の方針や基準との整合性を図りながら、相互理解を深めていくという。
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