化粧品に特化したラミネートフィルム専門商社で「実験大好きカンパニー」を掲げる進洋では、1953年の創業時から自社で開発した実験道具を用いて、製袋品・フィルム・シュリンクに関する品質や機能の性能試験を独自に行っているほか、東京都立産業技術研究センターなど社外とも連携し、最適なパッケージ提案に日々努めている。
石井聖一社長は、社内外でパッケージの性能試験に注力している理由として、「徹底的に調べ尽くす実験こそが進洋の価値であり、原因の究明なくして対策は出てこない。実験することを面白いと捉え、それが我々のモチベーションとなっている。創業当初から実験データに基づき、改良や改善を提案してきたことで、お客様から『何かあったときに進洋が一緒に問題を自分事として捉え、解決のために一緒に汗をかいて様々な対策を考えてくれてありがたい』と非常に高い評価をいただき、創業から今なお取引が続く企業も多い」と語る。
今期(2024年5月期)実績は、過去最高の売上高・経常利益を記録した前期とほぼ同水準で推移する見通しだ。
石井社長は今期について、「売上自体に大きな変化はなかったが、コロナ禍を経てここ数年、本舗メーカーさんが主体となって行っていた資材・原材料の購買が、OEMメーカーさんへとシフトしてきている。OEMメーカーさんにとって、製造ロスは利益に大きく直結する。我々が自前で開発した実験道具は持ち運びが可能で、充填包装などで課題があった時にそれを持参して製造現場へ訪問し、素早いアクションで原因や解決策を提案できる点が徐々に支持を集めている」と振り返る。
製品面では、「環境配慮」「高性能・高機能」「使いやすさ」という3つの観点で、ラミネートフィルムの付加価値を高める努力を続けている。
昨年10月に開催され、同社で5回目の出展となった「JAPAN PACK(日本包装産業展)2023」では、環境包材の進化系として「脱アルミ箔ハイバリヤーフィルム」を提案した。
「従来からバージョンアップし、実験結果ではアルミ箔とほぼ同等の酸素・水蒸気バリア性能を確認できた」(石井社長)
この記事は週刊粧業 2024年3月18日号 6ページ 掲載
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