――開発期間はどれくらいでしたか。
松下 肌診断機そのものの開発だけですとだいだい半年くらいで、すごく短い方だと思います。
既製の機器にハリの測定機能を足すにあたり、オルビスさんは被験者を用意して短期間に多くのデータを収集する機会を設けてくれました。分析結果をフィードバックする作業を繰り返す連携プレーが奏功し、半年という異例の早さでできました。
肌診断機を新たに導入するにあたり、売場、マーケティング、研究開発、情報システムの部門ごとに横断的にイニシアチブをとるキーパーソンがいないとプロジェクトがまとまらないことが多いのですが、その役を社内で多数の部署を経験された井口さんに担っていただいたので、全体がスムーズに進行できたのだと思います。
「肌のやわらかさ」という新たな指標はハードウェアの開発とデータ収集が必要になりますが、今回は仮説に基づく機器の開発とデータ収集が同時進行で進められたので、全体が早く進みました。
――お客さまの反応はいかがですか。
井口 お客さまからは「パーソナルスキンチェックを試してよかった」と喜びの声があがっています。数店舗でもこれだけ手応えがあるなら、全国的にお客さまを増やしていけそうです。
ビューティーアドバイザーからも「肌診断をやる事でお客様の笑顔がみれた」「お客さまにお声がけをしてよかった」「肌診断が10分でできるのがよい」など、好反応です。
――最後に、2019年の活動目標をおきかせ下さい。
松下 肌診断はあくまでも手段です。販売の現場ではお客さまに価値ある商品を理解し提案する活動に時間を使ってほしいので、「簡単」「すぐ終わる」にこだわった肌診断機をつくっています。
2019年はオルビスさんをタイムリーにフォローしながら、お客さまに新しい価値を提供するツールとして、ハード、ソフトの両面から後方支援をしていきたいと思います。
井口 肌診断をした後のコミュニケーションをどのように進めていくのかが今後の課題です。アプリにはプッシュ通知やお知らせ配信、肌の悩みの問診機能も盛り込んでいます。これらを紐付けた関連性のある情報をどのように出していくか検証していきます。
診断で肌状態がわかったなら、次はお手入れの仕方を提案していきたい。肌本来の力を存分に活かし、自立した美しさへ導く。美しく年齢を重ねていただくためにも、お手入れの大切さを啓蒙して習慣づけてほしい。肌診断を契機にしたコミュニケーションを大切にしていきたいと思います。