2020年上半期のカラーメイク市場
2020年上半期、カラーメイク市場の累積売上額は130億元であった。
各カテゴリーの四半期別売上を比較してみると、リップメイク市場は第1四半期、第2四半期ともに前年比20%弱の成長率を見せており、アイメイク市場は第1四半期に前年比15%増、第2四半期に前年比27%増の成長を遂げている。
2020年上半期、アイメイク市場がカラーメイク市場に占める割合は33%に過ぎないが、カラーメイク売上増加分の約半数をアイメイクの売上が占めており、カラーメイク市場の成長に大きく貢献している。
Perfect Diaryに次ぐ2つの
中国ローカルブランド
2020年上半期、カラーメイク市場における累積売上高1位はPerfect Diary(上半期累積売上10億元突破。平均販売価格70元)である。
中国ローカルブランドのCOLOR KEYやLittle Ondineも70元という手頃な価格で「ミレニアム世代+Z世代(以下、MZ世代)」を攻略している。
2つのブランドのカラーメイクの売上は2019年下半期から急増しはじめている。COLOR KEYはリップメイク市場で頭角を現し、2020年上半期には累積売上額が3億元を突破した。
一方、Little Ondineはアイメイク市場で人気を呼び、2020年上半期の累積売上額が1.9億元を達成した。
*Little Ondineは2020年4月、Perfect Diaryの傘下ブランドとなっている。
中国ローカルカラーブランドの
MZ世代攻略術
COLOR KEYは業種をまたぐコラボレーションに活動である。例えば、中国のインスタント火鍋ブランド「大龙燚」とのコラボレーションでは、SNSへのコメントで抽選により火鍋と箸の形にデザインしたアイライナーのプレゼント企画を実施した。
2020年第1四半期にはディズニーの実写映画「ムーラン」の公開を記念し、カラーメイクブランド「kinbor」や、ジュエリーアクセサリーブランド「Zengliu」とのコラボレーションを行った。
消費者はムーラン限定版メイク商品とともにネックレスなどの限定アクセサリーも購入できた。
このようにCOLOR KEYは他の産業やIPコンテンツを活用したコラボレーションを積極的に行うことで、自社商品のデザイン変更などにとどまらず、自社の化粧品に加え、他の商品をまとめて販売するという独特な戦略でMZ世代に絶大な支持を得ている。
Little Ondineはカラーメイク市場の進出初期は「李佳琦(Austin)」などのKOLマーケティングに依存し、「プチプラアルマーニ」のイメージだったが、その後徐々にネイル市場での認知度を活用し、「ネイル+カラーメイク」をまとめたセットで販売する戦略をとっている。
化粧品とネイル商品という両方を扱うという強みを活かし、MZ世代から人気を得ており、ディズニーとコラボレーションした限定ミッキーグッズも発売。中国ローカルのカラーコスメブランドはMZ世代をターゲットにしたマーケティングに注力しており、消費者にコスメだけを販売するより、多様なコンテンツも提供している。
とりわけ、他の産業をまたいだクロスオーバーマーケティングはカラーメイク市場のみならず、スキンケア市場にも共通したトレンドである。
他社とのコラボレーション、産業をまたいだクロスオーバーマーケティングで化粧品以上の価値を与える試みは今後も増えると期待している。
【メジャーチャイナ】(記事提供元)
中国EC・SNSのビッグデータを収集し、ビジネスインサイトを提供するデータ分析会社。
中国で取引される6800万個のコスメ商品の売り上げ/価格/効能/原料等の属性別トレンド分析データ、レポートを提供。Unilever,AMOREPACIFIC,Johnson&Johnson等のグローバルブランド、証券アナリスト等が本社のサービスを利用。
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