花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況を公表

粧業日報 2022年7月11日号 5ページ

カンタンに言うと

  • 社内炭素価格改定、ESGガバナンス体制強化、生物多様性の方針の改訂を実施
花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況を公表
 花王は6月29日、ウェブサイトで「花王サステナビリティレポート2022」を公開し、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況を公表した。

 重点取り組みテーマの2021年の実績に加え、「脱炭素」推進に向けた社内炭素価格の1万8500円/トン-CO₂への引き上げ、ESGガバナンス体制の強化に向けた「ESGステアリングコミッティ」の設置、生物多様性の方針の改訂など、「Kirei Lifestyle」推進に向けての新たな取り組みを開示している。

 具体的には、昨年、新「脱炭素」目標を公表し、スコープ1+2のCO₂排出量(絶対量)の目標を2030年までに「22%削減」から「55%削減」(基準年2017年)に改定したことを受け、社内炭素価格を引き上げている。従来の3500円/トン-CO₂から1万8500円/トン-CO₂に変更したことを公表し、新たな価格のもと、省エネルギーな設備やCO₂排出量が少ない設備の導入、再生可能エネルギーの調達を推進していく。

 2022年4月からは、ESGへの取り組みを確実かつ迅速に実行に移すために「ESGステアリングコミッティ」を新設した。役員クラスがオーナーを務め、「ESGコミッティ」と連動し、各部門・グループ会社に提言を行い、各部門では、ESGを部門方針、目標、計画に組み込み、実効性のあるガバナンスを構築する。グローバルのグループ会社も各部門が運営し、活動内容に応じて適宜グループ会社単位で運営している。

 また、2021年の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で生物多様性に関する目標が見直されたのを機に、既存の方針を改訂し、2022年4月に新たに「生物多様性の基本方針」を策定した。生物多様性の保全と回復、さらに自然を再生へ導く行動を進め、自然と共生する未来の実現に貢献していく。

 こうした取り組みが評価され、国際NPOであるCDPが実施している「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」のすべての調査で、最高評価である「Aリスト企業」に2年連続で選定された。また、米国のシンクタンクEthisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)の「World's Most Ethical Companies」(世界で最も倫理的な企業)には16年連続で選定されている。

 進捗状況の公表にあたり、Dave Muenz(デイブ・マンツ)取締役 常務執行役員 ESG部門統括は、「長年守り続けてきた価値観である『正道を歩む』を原動力に、花王は生活者によい影響をもたらす存在であり続けるため、脱炭素では、2040年にカーボンゼロ、2050年にカーボンネガティブを目指す目標を設定するなど、多くの取り組みを2021年に実施した。今年に入ってからは、『脱炭素』『プラスチック包装容器』『人権・DEI』『化学物質管理』を扱う4つの『ESGステアリングコミッティ』を設置し、ESGのガバナンス体制をさらに強化した。また、パーム油などの自然資本に依存する企業として、サプライチェーン全体のトレーサビリティの確保や、取引先への第三者監査の実施によるリスク特定のため、新たな調達ガイドラインを公表した。花王はこれからも協働とパートナーシップを通じ『豊かな共生世界の実現』を目指していく」とコメントしている。
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