第53回 中年世代に共感される○○

【週刊粧業2018年7月30日号4面にて掲載】

 20年ほど前、日本の化粧品業界のメインターゲットといえば「若者」でした。ちょうど人口の多い団塊ジュニア層(1971年~1974年)や元気なバブル世代(1965年~1969年)を指していたわけですが、それぞれ42歳~45歳、47歳~51歳とすっかり中年世代になりました。

 多感な時代に消費の現場でちやほやされたこの層は、中年になっても積極的に新しいトレンドに飛びつく人が多いため、不景気でお財布の紐が固い若者よりも中年世代にものを売ったほうが儲かると考える企業も少なくありません。

 とはいえ、それは簡単な事ではありません。消費者である当事者も迷いが多く、どうしたら良いかわかっていないからです。たとえばSTORY 8月号では「おば見えしそう、ドヤ感出そう、イタくなりそう、髪決まらないetc…(以下略)」と、現代の中年世代の戸惑いをうまく表現しています。

 今や、アンチエイジング、永遠の若さ、マイナス10歳などと言ってもあまり響きません。このターゲットを攻略するためには、いろいろな解があると思いますが、中年にものを売るためには、「やらない」ことをすすめるというのが今の潮流です。

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廣瀬知砂子

女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント

実践をモットーとする化粧品コンサルタント 現場発想で生み出した独自の商品企画法やトレンド分析法で、大企業から中小企業まで多くのヒット商品を手がけている。

http://www.beautybrain.co.jp/

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