第59回 和コンセプトの○○

【週刊粧業2019年2月25日号15面にて掲載】

 弊社で行っている「化粧品企画塾」では、化粧品企画キャリアや美容編集者などの有識者による新製品の分析会議を行っています。今年の1回目に話題になったのが、「和コンセプト」の盛り上がりでした。

 一部をご紹介すると、「SUQQU マスキュレイトマッサージ&マスククリーム 生姜爽香キット」(1月1日限定発売)、「ピエール ファーブル デルモ・コスメティック ジャポン ルネフルトレール オカラカラー プロテクトシャンプー」(1月23日発売)、「フォーエス 和肌美泉 発酵・豆味噌イソフラボンパック」(2018年12月19日発売)など、「ハトムギ」に代表されるような漢方系ではなく、「餅」「生姜」「おから」「豆味噌」といった身近な食材に着目した商品が増えているのです。

 パッケージも各社、頭をひねっています。和肌美泉は、本当に味噌みたいですし、「クラブ コスメチックス ワココ」(1月7日発売)は、日本の食文化である「一汁三菜」がコンセプトで、平安時代に流行した、紅花で染めた赤色をボトルの柄に採用しています。

 これらのブームは、インバウンドによる実績の好調ぶりや、「和食」の無形文化遺産登録、東京オリンピックや大阪万博の開催などで、日本や和への関心が高まっているからと説明できそうですが、やはり身近な食材ブームの火付け役は、日本の食材コンセプトに注目した、ローレルの「Shiro」でしょう。

 いろいろな会社の商品企画会議に参加していますが、この2年でいちばん名前が挙がったブランドだったような気がします。

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廣瀬知砂子

女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント

実践をモットーとする化粧品コンサルタント 現場発想で生み出した独自の商品企画法やトレンド分析法で、大企業から中小企業まで多くのヒット商品を手がけている。

http://www.beautybrain.co.jp/

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