【週刊粧業2021年5月3日号10面にて掲載】
マスク生活で消費者に新しいインサイトが生まれています。最近のメディアの見出しから見つけた3つの兆しを紹介します。
1つ目に注目するのは、「上半顔 下半顔別ゾーニングスキンケア(MAQUIA5月号)」です。顔を上半分と下半分に分けて考えることは以前からありましたが、マスク時代の今は意識せざるを得ません。
「顔の土台・半顔メークの主役/眉コスメ大豊作だから/今は“眉だけ”こうして頑張ればいい(美ST5月号)」「眉で『私』を語る時代“ニューノーマル眉”描き方BOOK(MAQUIA5月号)」のように、上半分では眉への注目が高まっています。
下半分では「マスクで隠れる『顔下半分』を鍛える!(InRed5月号)」のように、スキンケアに鍛えるという発想が生まれています。
2つ目は「自宅にいる日の『ゆるUV』外出する日の『きちんとUV』(InRed5月号)」のように、日やけ止めのオンとオフがはっきりしてきた点です。
SPFはなるべく高い方がいいというニーズが強かったのですが、ほどよいものとハードなものの2本持ちが今の時代の気分にハマるのです。
最後は色です。「春のメークにぴったりな『みかん色リップ』をまとめました オレンジ好きさんは必見…!(BuzzFeed Kawaii 3/9)」「見てるだけでときめく『さくら色アイシャドウ』をまとめました アイメイクでも春を感じたい!(BuzzFeed Kawaii 3/17)」など、おしゃれな横文字よりも「みかん」「さくら」のようなひらがなの方が、「背伸びはしたくないけどちょっと気分を上げたい」という消費者の気持ちに刺さるのではないでしょうか。
また、カラーシャドウの新製品が続々と発売される中、ベージュシャドウの人気はまだまだ根強くあります。
「下まぶたやアイホールに塗りたいベージュシャドウをまとめました! ベージュを仕込むだけでこなれた印象になるよ(BuzzFeed Kawaii 3/30)」のように、若い世代はベージュを塗ればおしゃれに見えますが、「『老けないベージュ』『照れないピンク』『浮かない赤』リップ(eclat5月号)』」という見出しを見ると、50代にとってはおしゃれになるどころか老けてしまうベージュがあるとのことです。
今の50代は30代に見える人が多いのですが、若い世代と同じ色選びでは逆に老けて見えてしまいます。しかし、中年世代にはこの情報はあまり伝わっていないのではないでしょうか。
この点をきめ細かく対応すると新たな市場開拓につながるかもしれません。