【週刊粧業2022年2月28日号16面にて掲載】
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが3年目となりました。メークアップ製品を中心に、まだまだ厳しい状態が続いていますね。
そうした状況の中、どのような訴求で消費意欲のスイッチを押せばよいのでしょうか。雑誌やWebの見出しからヒントを探してみましょう。
若い世代向けのWebメディア・BuzzFeed Kawaiiは「見てるだけでうっとりしちゃう『ラメ爆発シャドウ』をまとめました。やっぱキラキラは正義」「アイドルも愛用!? まつげをバチバチに上げてくれる『優秀まつげアイテム』をまとめました」「肌なじみ優勝でさらにパーツを自然に拡張してくれる 中の人が全力でおすすめする『粘膜カラーアイテム』をまとめました」「単色で垢抜けが叶う万能アイテム『濡れツヤシャドウ』と使い方のコツをまとめました!」など、様々なヒントが目白押しです。
反して、マスク必須の生活ではリップの購入欲求は控え目、というのは周知の事実でしょう。
そうした状況の中で、「I WANT IT!(BEAUTY)『リップ以上・ルージュ未満』のバリエーション」(GISELe3月号)、「この春は、『寄り添いリップ』で気分一新!」(LEE3月号)の2本の見出しはしっくりきました。「リップ以上・ルージュ未満」「寄り添いリップ」というのは、今の時代にとてもしっくりくる表現だと思います。
前述のアイメークと比較すると、マスクに隠れてしまうリップやベースメークはウキウキ感を発揮しにくい存在になってしまっています。一方で、化粧品マニアがグッとくるような新製品が続々と登場しています。
まずはリップカテゴリーで着目した、2月1日に発売された「カネボウ化粧品 センサイ コントゥアリングリップスティック ホルダー」(1650円)、「同 リフィル」(3850円)のコンセプトは一風変わっています。
「墨を1滴溶かし込んだような影のニュアンス」によって、唇に美しい立体感をもたらす効果を追求しているのです。
立体感というと、ツヤや輝きをプラスする発想が主流となっていますが、影を作ることで自然な立体感をもたらすという解決方法は、ふっくらした若々しいくちびるを若作りしすぎることなく演出したい大人世代の興味をそそります。
ベースメイクカテゴリーで凄いと思ったのは「エキップ SUQQU ザ リクイド ファンデーション」(11000円、2月10日発売)です。
粉体を使わないのにもかかわらず高い輝度とカバー力という矛盾したベネフィットを同時に叶える技術にチャレンジしています。