こちらのコーナーでは、2021年の化粧品業界の振り返りと化粧品出荷統計の各月の推移についてまとめています。
■2021年週刊粧業選定・化粧品日用品業界10大ニュース
①長期化するコロナ禍で出荷額は減少
②大手メーカーを中心にデジタルシフトが本格化
③メーカー各社がESG 投資を積極化
④SDGs・脱炭素の取り組みが多方面で進展
⑤大手メーカーの協働取り組みが活性化
⑥中国市場攻略のための取り組みが進展
⑦コロナ禍でEC 市場は成長を持続
⑧コロナ禍の需要をうまく捉えたアイテムが伸長
⑨男女問わずオンライン映えメークへの関心高まる
⑩韓国コスメ・中国コスメに注目集まる
(番外)メークアップの苦戦が続く中、売場・商品構成に変化
(番外)中間流通でコスメの提案を強化
2021年の化粧品業界は、新型コロナウイルスの影響を受け続ける中で、大きな変革を迫られました。パンデミックによる消費行動の変化や新たなトレンドが顕著に現れ、業界全体が適応と変革を求められました。2021年の化粧品業界を振り返り、主なトピックを紹介します。
1. パンデミックの影響による市場の変化
2021年も新型コロナウイルスの影響が続き、外出自粛やテレワークの普及により、化粧品の需要に変化が見られました。特に、フルメイクの機会が減少したことで、リップやファンデーションなどのメイクアップ商品の売上が低迷しました。一方で、スキンケア製品の需要は引き続き高く、特に保湿や敏感肌向けのアイテムが好調でした。
2. 「おうち美容」とセルフケアの増加
外出機会の減少に伴い、2021年は「おうち美容」と呼ばれる、自宅でのセルフケアや美容習慣が定着しました。これにより、ホームケア用のスキンケア製品やヘアケア製品が人気を集めました。また、リラクゼーションやストレス解消を目的としたアロマオイルやボディケア商品も好調で、セルフケアに対する関心が高まりました。
3. クリーンビューティーとサステナビリティの拡大
2021年には、環境意識の高まりからクリーンビューティーやサステナブルな製品がさらに注目されました。化粧品ブランドは、自然由来の成分を使用した製品や、環境に配慮した包装を採用する動きを強めました。特に、リフィル(詰め替え)製品やプラスチック削減の取り組みが進み、消費者からの支持を得ました。
4. ECとデジタルマーケティングの成長
パンデミックの影響で、店舗での販売が減少する中、ECサイトを活用したオンライン販売が成長しました。化粧品ブランドは、自社ECサイトや大手ECモールを通じて消費者に直接アプローチする機会を拡大しました。また、デジタルマーケティングが重要視され、インフルエンサーとのコラボレーションやSNSを活用したプロモーション活動が活発に行われました。AR(拡張現実)を使ったバーチャルメイク体験など、オンラインでの新しい顧客体験の提供も進みました。
5. メンズ美容市場の成長
2021年も引き続き、メンズ美容市場が拡大しました。男性向けスキンケア製品やメイクアップ製品が増加し、美容意識の高い男性層の間で受け入れられました。特に、メンズスキンケア市場は大幅に成長し、化粧品業界の新たな成長分野となりました。
6. 国内ブランドの国際競争力強化
2021年、日本の化粧品ブランドは国内市場だけでなく、海外市場での展開を強化しました。特に大手企業は、海外市場での存在感を高め、アジア全域や欧米市場でのプレゼンスを強化しました。
2021年の化粧品業界は、パンデミックの影響が続く中で、消費者のニーズや市場の状況に合わせた柔軟な対応がみられました。スキンケアやセルフケアに対する関心が高まる一方で、サステナビリティやクリーンビューティーのトレンドも定着しました。ECの成長やデジタルマーケティングの重要性も増し、業界全体がデジタル化を進める中で、新しい顧客体験の提供が鍵となりました。
■2021年週刊粧業選定・化粧品日用品業界10大ニュース ①長期化するコロナ禍で出荷額は減少 ②大手メーカーを中心にデジタルシフトが本格化 ③メーカー各社がESG 投資を積極化 ④SDGs・脱炭素の取り組みが多方面で進展 ⑤大手メーカーの協働取り組みが活性化 ⑥中国市場攻略のための取り組みが進展 ⑦コロナ禍でEC 市場は成長を持続 ⑧コロナ禍の需要をうまく捉えたアイテムが伸長 ⑨男女問わずオンライン映えメークへの関心高まる ⑩韓国コスメ・中国コスメに注目集まる (番外)メークアップの苦戦が続く中、売場・商品構成に変化 (番外)中間流通でコスメの提案を強化
長引くコロナ禍で国内化粧品市場の回復が遅れている。経済産業省が発表した化粧品出荷統計によると、今年3月は前年同月比10.2%減、4月は0.6%減だった。昨年2月下旬頃より新型コロナウイルスが全国的に感染拡大し、4月から5月にかけて緊急事態宣言が発令されていたことを踏まえると、4月時点で対前年ではプラス成長を予想していた経営者が多かったと思う。5月からのプラス推移に期待したい。一方、衛生関連製品を中心とした日用品は、昨年にあった特需がなくなり、春以降、数字的には厳しい1年になっていく。コロナの状況次第という将来予測が難しい状況にある中、化粧品・日用品業界を調査・分析する三菱UFJモルガン・スタンレー証券・インベストメントリサーチ部の佐藤和佳子シニアアナリストに、21年上期を振り返ってもらうとともに、下期以降を展望してもらった。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年1月の化粧品出荷額は前年同月比22.4%減の886億1200万円となった。前年は5月に1000億円を下回る金額(984億5800万円、28.6%減)を一度記録したが、それを下回る実績となっており、金額ベースではコロナ禍で最も低いスコアとなっている。 カテゴリー別では、香水・オーデコロンが13.0%増と唯一前年を上回ったが、それ以外が2ケタ減となっている。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年2月の化粧品出荷額は前年同月比17.6%減の1061億4400万円となり、14カ月連続のマイナス、12カ月連続の2ケタ減となった。なお、個数は15.0%減なので、単価は3Pほど下落している。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年3月の化粧品出荷額は前年同月比10.2%減の1147億4200万円となり、15カ月連続のマイナス、13カ月連続の2ケタ減となった。 なお、個数は9.8%減なので、単価も下落傾向にある。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年4月の化粧品出荷額は前年同月比0.6%減の1122億8800万円となり、16カ月連続のマイナスとなった。なお、先月まで13カ月続いていた2ケタ減からは脱却している。個数は1.8%減なので、単価はやや上昇傾向にある。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年5月の化粧品出荷額は前年同月比3.6%減の948億8300万円となり、17カ月連続のマイナスとなった。なお、4月に続き2カ月連続で1ケタ台のマイナスで推移している。個数は2.7%減なので、単価はやや下落傾向にある。昨年5月は、緊急事態宣言発出により全国の百貨店・大型商業施設が営業自粛を余儀なくされた。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年6月の化粧品出荷額は前年同月比13.5%減の1070億3400万円となり、18カ月連続のマイナスとなった。4~5月には、前年に店舗休業が相次いだにもかかわらず1ケタ台のマイナスと厳しい状況が続いていたため、6月の実績に注目が集まっていたが、緊急事態宣言の長期化の影響は大きく、前年同月の12.5%減からさらに13.5%落ち込む結果となり、コロナ禍以前の2019年5月との比較では22.3%減となっている。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年7月の化粧品出荷額は前年同月比4.1%減の1209億7400万円となり、19カ月連続のマイナスとなった。前月は13.5%減となり、先行きが危ぶまれたが、頭髪用・皮膚用・仕上用が揃って5%以内のマイナスに踏みとどまり、香水類、特殊用途がプラスに転じたことでトータルでは4.1%減と、今年4月(0.6%減)に次ぐ実績となった。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年8月の化粧品出荷額は前年同月比8.4%減の1154億1800万円で、20カ月連続のマイナスとなった。前月は4.1%減(前々月は13.5%減)とマイナス幅が縮小したが、再び悪化傾向となった。2021年8月の家庭用洗浄剤出荷額は前年同月比1.2%減の492億1600万円で、2カ月連続のマイナスとなった。
経済産業省が発表した2021年9月の化粧品出荷額は前年同月比9.0%減の1198億2900万円で、21カ月連続のマイナスとなった。前月は8.4%減なので、マイナス幅は拡大している。2021年9月の家庭用洗浄剤出荷額は0.8%減の582億8500万円で、3カ月連続のマイナスとなった。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年10月の化粧品出荷額は前年同月比11.5%減の1166億9600万円で、22カ月連続のマイナスとなった。前月は9.0%減なので、マイナス幅は拡大している。経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年10月の家庭用洗浄剤出荷額は前年同月比0.5%増の577億500万円で、4カ月ぶりのプラスとなった。なお、販売量が2.5%増なので、単価はややダウンしている。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年11月の化粧品出荷額は前年同月比3.3%減の1243億2000万円で、23カ月連続のマイナスとなった。前月は11.5%減だったので、マイナス幅は縮小している。2021年11月の家庭用洗浄剤出荷額は前年同月比7.8%増586億7500万円となり、2カ月連続でプラスとなった。
経済産業省が発表した生産動態統計によると、2021年12月の化粧品出荷額は前年同月比1.0%増の1262億5400万円となり、24カ月ぶりのプラス成長となった。2021年12月の家庭用洗浄剤出荷額は前年同月比6.1%減の555億3800万円となり、3カ月ぶりのマイナスとなった。
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