【最新】化粧品容器のSDGs対応・エコ対応・環境配慮の取り組み最前線

こちらのコーナーでは、【最新】化粧品容器のSDGs対応・エコ対応・環境配慮の取り組み最前線と題し、化粧品容器包装業界の具体的な取り組みについて解説していきます。

循環型社会の実現に向けて、化粧品容器包装業界ではプラスチックごみ問題の解決を目指した取り組みが推進されています。今後は国際的な動きへの対応でさらに加速しそうです。

世界のプラスチックごみ汚染の防止に関する国際条約の制定に向けて、各国で協議が進んでいます。条約案にはバージンプラスチックの生産を制限する案も出ており、世界共通ルールとして条約が締結され日本もそれに合意すれば、市場環境は大きく変わります。

化粧品容器のSDGs対応(日本と海外の動き)

化粧品容器のSDGs対応に関して、日本と海外の動きにはいくつかの共通点と特徴があります。主な焦点は「プラスチック削減」「リサイクル」「再利用可能な容器の開発」「持続可能な資源の利用」などであり、各国や地域ごとに独自のアプローチが取られています。

・日本の動き

日本では、環境意識が高まり、化粧品業界も積極的にSDGsに対応しています。特にプラスチック容器の削減やリサイクル技術の向上が重視されています。

1.プラスチック削減とリサイクル

日本の化粧品メーカーは、プラスチック削減のためにリサイクル可能な素材やバイオプラスチックの使用に力を入れています。大手化粧品メーカーは、プラスチック容器の代わりに紙容器やリサイクルプラスチックを使用した製品を展開しています。また、使い捨てプラスチックを減らすために、リフィル(詰め替え)の導入も進んでおり、消費者に容器を再利用させることで廃棄物を減らす努力がなされています。

2.資源の持続可能な調達

日本では、化粧品容器に使用される資源の持続可能な調達にも注力しています。例えば、森林認証を取得した紙や再生プラスチック、植物由来の原料を使用することが推奨されており、環境への負荷を低減しています。

3.メーカーと消費者の協調

消費者に対して環境に配慮した商品選択を促すキャンペーンや、リサイクルの重要性を訴える活動も進んでいます。これにより、メーカーと消費者が協力して持続可能な社会の実現を目指しています。

・海外の動き

海外でも、化粧品容器のSDGs対応は重要なテーマとなっており、特にヨーロッパやアメリカでは進んだ取り組みが見られます。

1.ヨーロッパ

ヨーロッパでは、EUの「欧州グリーンディール」に基づき、企業に対して環境負荷を軽減する強い規制が設けられています。これにより、化粧品業界では「プラスチックゼロ」や「完全リサイクル可能な容器」の開発が進んでいます。

2.アメリカ

アメリカでは、企業や消費者の間で環境問題に対する意識が高まっており、持続可能な化粧品容器の開発が進んでいます。特に、Johnson & JohnsonやEstee Lauderなどの企業は、再生素材の使用拡大や、容器の軽量化、リフィルの普及に力を入れています。また、リサイクルプログラムを通じて使用済み容器を回収し、再利用する取り組みも盛んです。

3.アジア

アジアでは、日本以外にも韓国や中国でSDGsに対応した化粧品容器の開発が進行中です。韓国では、プラスチック使用量を削減し、紙製の容器やバンブー素材の利用が拡大しています。また、中国では、国内のリサイクルインフラを強化しつつ、再生可能な素材を使用した容器の開発が進められています。

今後の課題

日本と海外の化粧品業界で共通して見られる課題として、以下が挙げられます。

消費者の意識向上:リサイクルや再利用可能な容器の利用促進には、消費者の協力が不可欠です。消費者の教育やリサイクルプログラムの利便性向上が必須です。

技術革新:再生素材の性能向上や、より環境負荷の少ない素材の開発が求められています。

コスト問題:持続可能な素材やリサイクル技術の導入にはコストがかかるため、価格競争力を維持しつつ、いかに環境対応を進めるかが重要です。

全体的に、化粧品容器のSDGs対応は欧米や日本で急速に進んでおり、企業は環境に配慮した製品を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。

化粧品容器のエコ対応・環境配慮の取り組み

化粧品容器のエコ対応では、持続可能な素材の使用やリサイクル可能なデザインの強化、リフィル対応など、環境負荷を低減する取り組みが進化しています。注目されているエコ対応のいくつかを紹介します。

1. リフィル(詰め替え)製品の普及

リフィル製品はエコ対応の主流の一つであり、多くのブランドが容器を廃棄するのではなく、詰め替えて再利用できるパッケージを提供しています。これにより、使い捨てのプラスチック容器の削減が可能です。大手化粧品メーカーは、スキンケア、シャンプー、メイクアップアイテムでリフィル製品を積極的に展開しており、高級ブランドでもリフィル可能な製品が増えています。

2. バイオプラスチックと植物由来素材

化石燃料に依存しないバイオプラスチックの使用が進んでいます。これらのプラスチックは、サトウキビやトウモロコシなどの再生可能な資源から作られており、従来のプラスチックに比べて環境への負荷が低いのが特徴です。

3. ガラス容器や金属容器の回帰

プラスチックに代わる素材としてガラスや金属が再注目されています。これらの素材は、リサイクルが容易で、長期的な使用にも耐えるため、サステナブルな選択肢として人気があります。特に高級化粧品ブランドでは、環境負荷を抑えつつ高級感を維持するために、ガラスやアルミニウムなどの容器が採用されるケースが増えています。

4. 海洋プラスチックの再利用

廃棄されたプラスチックが海洋に流れ込む問題に対応するため、海洋プラスチックのリサイクルを利用した化粧品容器の開発が進んでいます。一部の企業では回収された海洋プラスチックを再生して新しい容器に使用する取り組みを始めています。環境問題への消費者の関心が高まる中、ブランドにとって差別化要素になっています。

5. 紙製容器やパッケージの使用

プラスチック容器を減らすため、化粧品業界では紙製容器の開発が進んでいます。特にスキンケア製品やシャンプーなどで、紙ベースの容器を導入するブランドが増えています。

6. 廃棄ゼロの実現

「廃棄ゼロ」の理念に基づき、製造から廃棄まで環境に負荷をかけない化粧品容器の設計が進んでいます。これには、使用後の容器をリサイクルや再利用するためのインフラ整備や、ブランドによるリサイクルプログラムが含まれます。LUSHでは、固形シャンプーや固形スキンケアアイテムの普及により、そもそも容器を不要にする取り組みも進められています。

まとめ

化粧品容器のエコ対応は、素材選びから製品デザイン、消費者の使用後の行動まで、幅広い視点から進化しています。これにより、企業は持続可能な社会に向けて、環境負荷を減らす新しい技術やアイデアを次々と導入しています。今後もエコ対応の取り組みはさらに加速し、消費者と企業が一体となってサステナビリティを実現する時代が続くでしょう。

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