資生堂、透明な肌仕上がり実現する「赤色透過パウダー」を開発

粧業日報

カンタンに言うと

資生堂、透明な肌仕上がり実現する「赤色透過パウダー」を開発

 資生堂は、ファンデーションにおける長年の課題であった、シミや色ムラなどはしっかりとカバーする効果が高く、しかも毛穴や凹凸などの肌表面の影を消して透明感のある美しい仕上がりを実現する「赤色透過パウダー」の開発に成功した。

 ファンデーションに配合すると意図どおりの特性が発揮されるといい、「マキアージュ ライティングホワイトパウダリーUV」(2011年2月21日発売)への配合を皮切りに、同社のファンデーションの基幹技術として順次積極的に活用していく。

 赤色透過パウダーは、「二酸化チタン(粉末)の形状を概ね球形にする」「粒子の直径(粒径)を約0.3マイクロメートルに揃えたことにより、赤色系の光を肌内部に多く通す」ことを可能にし、カバー効果はありながら透明感のあるファンデーションの仕上がりを実現できるという。

 ファンデーションは、カバー効果を高めるためには、通常、光を通さずしかも跳ね返す特性が高い二酸化チタンの配合量を増やすが、そうするとユーザーが求める「透明感のある美しい仕上がり」がなくなってしまうという問題があった。この「カバー効果」と「透明感・素肌感のある美しい仕上がり」は、背反事象として長年課題となっていた。

 課題解決に向け検討を進める中で、肌はさまざまな波長の可視光線が均等に混ざり合った白色の光よりも、オレンジ色の電球の光のほうがきれいに見えるという現象に着目。光の波長を変えて肌を観察してみると、波長の長い赤色の光ほど透明感が向上し、しかもシミ・ソバカスが目立たたなくなる一方、波長が短い青から紫色系の光では、キメや小じわ、さらに色むらが目立つことがわかった。

 このことから、光を通さない代表的な粉末として、カバー効果を高めたり紫外線を防御するために活用されている二酸化チタンが赤色系の光を肌の中に多く取り込めれば、長年の課題をクリアできると考え開発に着手。その結果、毛穴や凹凸などの肌表面の影を消して肌をきれいに演出する赤色系の光を多く肌の中に取り込める、粒径が約0.3マイクロメーターの二酸化チタン「赤色透過パウダー」の開発に、素材メーカーと共同で成功した。

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