粧業日報 2024年11月12日号 5ページ
資生堂クリエイティブが制作したウィンドウディスプレイ作品「在る美」が世界三大デザイン賞の1つRed Dot Design Award 2024にてグランプリを受賞した。
日本の伝統的な職人技と現代的なデザインの融合、工芸品と個人の内面の美しさを象徴していること、正確な幾何学的フォルムと高度なハンドメイド技術がもたらす特別でユニークな体験などが高く評価された。
Red Dot Design Awardは1955年にドイツで設立された国際デザイン賞で、ドイツのiF Design Award、アメリカのInternational Design Excellence Awards(IDEA)と並び、世界三大デザイン賞と呼ばれている。「在る美」は全部門の中で6作品のみが選ばれる最高賞「グランプリ」を受賞した。なお、グランプリの受賞は、1916年に資生堂クリエイティブの前身である「資生堂意匠部」が創設されて以来、初の快挙となる。
「在る美」は、東京銀座資生堂ビルのウィンドウディスプレイ。伝統工芸が持つ日本古来の美意識をテーマとし、京都の職人と共にツリーとリースを制作した。モチーフとしたのは「和傘」。特に「竹骨と飾り糸」という要素に着目している。本来傘の内側にあり実際には使用者しか見ることのできない「竹骨と飾り糸」をあえて露出させたデザインは、そこに在る美の探求、新たな美の定義に取り組んできた資生堂の企業姿勢を表現している。
アートディレクターの金内幸裕氏は「和傘という伝統工芸に潜む、純粋で根源的な美を表現したいという想いでデザインを行った。今回の受賞を励みに、これからも美の本質に触れるような仕事を手掛けていきたい」とコメントしている。
この記事は粧業日報 2024年11月12日号 5ページ 掲載
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