花王はこのほど、ユニバーサルデザイン(使いやすさ・わかりやすさ)に配慮し、こぼさずに安心してつめかえができる、新しいボトルタイプの化粧水用のつめかえ容器を開発した。これにより、本体を買い替える場合に比べ、樹脂使用量、二酸化炭素の排出量とも従来の約2分の1に削減することができるという。
なお、本研究内容の一部は、日本包装学会第20回年次大会(2011年7月7日から8日、京都)で発表している。今回の成果は、2010年より通販の「オリエナ」の化粧水つめかえ容器に採用しており、今後も「ソフィーナ」の化粧水などの容器開発に応用していく。
近年、地球環境問題に対する意識の高まりによって、包装材料の削減や二酸化炭素の排出量削減が進んでいるが、化粧水の本品容器は、小さく(100~150mL程度)不安定で倒れやすく、ボトルの口径が細いため、こぼしそうでつめかえにくいという女性の声も少なくなく、つめかえがこれまであまり普及していなかった。
そうした背景もあり、同社では、「開けやすさ」「注ぎやすさ」「持ちやすさ」といった観点から、新しいつめかえ容器の性能向上に取り組み、プルリング・キャップの形状、ノズルと注ぎ口の形状、ボトルの形状に関する研究を行った。
「開けやすさ」の実現に向けては、一目見るだけで誰にでも直感的に開け方がわかるプルリング方式を採用。さらに、開封方向を示す大きな矢印を立体的に配置し、プルリングを見たままの方向に引くだけで簡単に開封できるキャップを新たに設計した。指にかかりやすいリング形状と「てこの原理」がうまくはたらくように補強リブを配置することで、年齢を問わず女性の指1本で簡単に開けることが可能となった。このほかにプルリングの樹脂に、堅くて引き裂きやすいグレードを採用し、さらにプルリング径も多くの女性の人差し指第1関節が入る15.4mmとするなど、開けやすさをさらにアップした。
「注ぎやすさ」(こぼさず、すばやく)の実現に向けては、ストレスを感じることなく化粧水がつめかえられる時間を使用評価から15秒と特定、本品のボトルに簡単に挿し込んで、すばやくスムーズに注ぐことができるよう、注ぎ口を45度にカットした。この斜めノズルは、一般的な水平の注ぎ口に比べ、開口面積が1.4倍になるため、内容液がスムーズに注げ、つめかえ時間が2分の1に短縮できる。また、脈動を抑えたことで注ぐ時の液こぼしがなくなるとともに、ノズルが斜めにカットしてあるので本品ボトルに挿し込みやすくなった。
「持ちやすさ」の実現に向けては、安心してつめかえられ、内容液の保護と樹脂量の削減の両立を図ることができる薄肉プラスチックボトルを採用。その外形寸法は、親指と人差し指、あるいは親指と中指がつくる輪の内径を測定した統計データを基に、多くの女性の指で握りやすい43.2mmという細身サイズを採用するなど、女性が片手で安心して持つことができる形状に設計した。
これら3つの研究結果により、開けやすく、こぼさず安心してつめかえができる新しい化粧水のつめかえ容器の完成にこぎつけた。
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この記事は粧業日報 掲載
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