週刊粧業 2012年9月10日号 8ページ
カンタンに言うと
化粧品卸最大手の井田両国堂の前期(2011年11月期)は、東日本大震災の影響で仙台店が一時閉鎖を余儀なくされ、さらに東日本エリアでの販売が伸び悩んだものの、西日本エリアでの販売が好調に推移し、売上高が前期比0.3%増の980億円となった。
今上期は、東日本エリアでの販売が持ち直したが、西日本エリアでの販売が前年の販売好調の反動により伸び悩み、さらに天候不順による季節商材の動きが鈍かったことも重なり、前年同期比で0.5%の減収となっている。
なお、前期の業態別構成比は、ドラッグストアが45%、百貨店・専門店(バラエティショップ等)が33%、量販店が20%、その他が2%で、「消費者の購買行動が変化し、『余計なものは買わない』『品質さえ良ければ安いものでいい』といった傾向が鮮明になっており、バラエティショップさんやドラッグストアさんの一部で販売が好調な企業がみられるものの、業態全般に伸び悩みの傾向がみられる」(井田隆雄社長)という。
井田社長は、今上期の状況を振り返り化粧品アイテムの動向について、「天候不順もあり昨年好調だったクール商材が苦戦した。また、メークアップをはじめ全般的に押し並べて良くない。背景には、個数増・単価減の影響もある」と語る。
こうした中、オールインワンジェル「素肌しずく」(アサヒフードアンドヘルスケア)や、1枚約38円のフェイスマスク「LULULUN(ルルルン)フェイスマスク」(ティーグラウンド)など、コストパフォーマンスに優れたアイテムの販売が好調だという。
両品とも少し前まで価格がネックで手の届かないと諦めていた若い女性層に対して手頃な価格でアピールできている点が共通点であり、新たな客層の獲得につなげている。さらに、最近では「イミュのハトムギ化粧水やエム・オー・シーの肌ジャブローションなどをお値打ちコスメとして集積するととてもよく売れる」(井田社長)という。
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この記事は週刊粧業 2012年9月10日号 8ページ 掲載
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