全国化粧品小売協同組合連合会(以下、全粧協)の「2012年次大会in四国」が11月21日、JRホテルクレメント高松で開催され、式典では「全てはお客様が決める!―お客様に選ばれる専門店を目指そう―」をテーマに中神美郎全粧協理事長から本部提案がなされた。続いて、翌日から理事長の座を継承することになった山口喜兵専務理事の所信表明が行われるとともに、日本化粧品工業連合会(粧工連)・前田新造会長や資生堂・末川久幸社長ら制度品メーカートップによる来賓挨拶が行われた。
中神理事長は冒頭の挨拶で、「私は全粧協の前身である任意組合の全粧連時代に11年、法人化後の全粧協では14年、延べ25年にわたり本部の仕事をしてきた。この25年の間の時代変化・社会変化は本当に激しく、特にITの進歩には戸惑うばかりで、当時影も形もなかった携帯電話は、今や国民の大半が常時持つ時代になっている。
このような時代変化の中で、化粧品業界の変革に影響を与えた最も大きなものは、やはり平成9年4月の再販全廃だと考える。メーカーが行う縦型価格維持行為、組合等が行う横型カルテル行為は、いずれも独禁法違反の対象になることになったということである。
私の25年の組合活動は、独禁法適用除外から適用される業界への移行にどう対応するのか。『価格を含めて全てが自由競争での商売』という当たり前の話を、理解・納得できない方々にも何としても、無理やりでも対応策を受け入れてもらうことであったように思う。
25年の活動は、決して平坦なものではなかったが、多くの仲間の支えで乗り越え、今日の退任まで辿りつけることができた。最後に老婆心ながら今心配していることを申し上げる。
1つは専門店専用ブランド『キリョウ』のことだ。今後、キリョウがそれなりのスケールに到達・維持できないことで製造中止にでもなれば、組合はその存在意義を失いかねない。キリョウがなくなることは、組合が消えることにつながる。
2つ目はネット通販である。顧客に化粧品をお買い上げいただく形は、直接対面して肌悩みを聞き、問診・触診・視診・機器によるチェック等で肌状態を把握し、最適な美容方法と必要な化粧品を提案、お客様に選んでいただくことであり、化粧品専門店のベストなあり方であるとしてきたが、ネット社会の到来で、どう変化していくのか。お客様の変化に合わせていくのは当然としても、本当にお客様の『キレイ』へのお役立ちができるのか、心配は尽きない。
3つ目は、近い将来、化粧品の製造年月日記載が現実化するのではないかということだ。さらに、国際会計基準の導入で、現状のリベートや美容部員の派遣が、日本的慣行の指摘を受け、今までとは大きく変わる可能性がある。これらの大きな変化を、混乱なくクリアできるだろうか心配だ。全てが私の杞憂であることを願っている」と挨拶した。
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この記事は週刊粧業 掲載
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