ライオンは、2012年度を初年度とする新経営ビジョン「Vision2020」において、「国内事業の質的成長」「海外事業の量的成長」「新しいビジネス価値の創造」「組織学習能力の向上」という4つの戦略を推進することにより、中期的な成長軌道、収益基盤の強化を目指している。そして、その根幹を支えているのは、イノベーティブな製品づくりであることから、今年度はその実現に向けた体制の整備を大胆に進めていくという。2012年の動向と2013年の展望について、濱逸夫社長にインタビューした。
イノベーティブな製品づくりに向け
「挑戦」を評価する加点主義を採用
――社長就任から約1年が経過しましたが、一言感想をお願いします。
濱 とにかくやりたいことがたくさんあって、飛びまわった1年でした。社内改革や全社プロジェクトなど布石は打っており、今年に向かって飛躍のための準備は整ったものと考えています。常に初心を忘れずに、今年も動き回っていきます。
また、短期的な業績と中長期的な仕込みを同時並行で行うことの難しさを常日頃感じています。両方とも行っていかないと会社も市場全体も本質的な成長は望めませんので、常にそのバランスを取りながら舵取りをしていきたいというのが率直な感想です。
――イノベーティブな製品をつくるためには、失敗を恐れずにチャレンジする風土を醸成することが必要と思われます。これに向けた取り組みについて教えてください。
濱 イノベーティブな製品をつくるには、相当な時間がかかります。まずは、研究テーマの設定が非常に重要で、そのことについては、私も長年携わってきましたので、その設定まで入り込んで、ロードマップに基づいた研究テーマの再設定を現在、行っています。
それを行わないと、どうしても短期的な成果を出したいということに目が行きがちですので、非常にイノベーションの少ない製品が繰り返し投入されるリスクがあります。イノベーションのレベルを高くしようとすればするほど、成功確率は低くなるのも事実です。そこに私が自ら入ることによって、経営として評価していこうということで現在、取り組みを進めています。
研究者には、できるだけ若いうちにイノベーティブなテーマを与えたいと考えています。彼らがそれを上手くアイデアでブレイクスルーしてくれると、その後はどんどん考え方がイノベーティブになっていきます。研究メンバーには、できる限り多くの経験をしてもらいたいですし、アイデアの優劣に上司・部下は関係ありません。
新入社員であってもアイデアを出しやすい風土づくりに努め、よいアイデアを活かす体制をしっかりと構築していきます。開発には王道などありませんので、研究者が率先してイノベーティブな製品づくりに向かえるような、新入社員が率先してアイデアを提案していけるような環境をつくっていきます。
――組織の活性化に向け、仕組みの部分で何か変更されることはありますか。
濱 今年(2013年)は1月1日付で人事制度の見直しを実施し、挑戦することを評価する加点主義に人事考課を変更します。また、若いうちに様々な経験をさせてあげることが非常に重要ですので、トップダウンで人材を開発・育成していこうと考えています。
優秀な人材であればあるほど、どうしても部署ごとで囲い込もうとしがちです。トップダウンで優秀な人材を選抜し、海外経験も含めていろいろな経験を積ませたいと思います。
この取り組みは、すぐに結果が出るという訳ではありませんが、やはり会社の最大の財産は「人材」ですので、その人材を育てることも社長の責務です。そこに対しては、費用もしっかり投じて人材開発をしていきます。
さらに、大きな社内プロジェクトを幾つも立ち上げていますので、それが進展してくれば成果が少しずつ上がってくるものと期待しています。
【その他の質問】
◎主力ブランドの新製品と新市場創造型製品が好調
――日用品市場と御社製品の動向について教えていただけますか。
◎この2年で投入してきた新製品を活性化し、国内の質的成長を図る
――新製品は好調に推移しているようですが、現状の課題についてはいかがですか。
――製配販の連携について、基本的な考え方を教えてください。
――中価格帯の復活に向けた取り組みについてお伺いします。
◎海外は現地通貨ベースで2ケタ増、通販は年商100億円が射程内に
――海外事業の量的な成長に向け、進捗状況はいかがですか。
――海外製品の研究開発体制を変更した成果について教えてください。
――通販事業の現状についてはいかがですか。
◎営業体制の強化は道半ばもその実現には一定の手応え
――今後はますます適正利潤の確保が重要になってくると思います。今年の取り組みについて教えてください。
この記事は週刊粧業 掲載
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