ファンケルは6月15日に横浜アリーナで第33期定時株主総会を開催し、昨年より987名多い4258名の株主が参集する中、取締役14名の選任や定款の一部変更など4議案を満場一致で可決した。質疑応答では、最終赤字に終わった前期や創業者の池森賢二氏が経営に復帰する理由など8名から計11件の質問があがり、総会は1時間53分で終了した。
懇親会では、1月に経営の前線に復帰した創業者 池森賢二会長執行役員の前に、挨拶をしたい株主が行列を作った。高齢の女性が発した「嬉しゅうございます」との言葉に感想を聞くと、池森氏は「古い株主さんの顔を見ていると愛おしくなる。(総会の檀上では)ずっと見入っていた」と感慨深げに語った。
一方で、感傷に浸っていられない経営者は「長く株を持ってもらっているのに、このところ業績が悪くて申し訳ない」と不甲斐なさを露わにし、池森会長は前期の赤字について「(中国代理店との)契約期間はまだ終わっていないが、今現在の状況を株主さんにキチッと分かっていただくために評価損を立てた」としたうえで、「私は昔から正直な経営を第一にしてきた」と信条を再確認した。
これを聞いていた横浜市に住む67歳の男性株主は、池森氏の復帰に「当然、期待している。創業者だから」と意見を即答したほか、経営に関する部分では「中国とは縁を切って、インドへ進出してほしい」と熱っぽく語った。
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