日光ケミカルズ、医薬品原料展で外用剤の開発支援、新原料も展示

週刊粧業 2015年5月18日号 11ページ

カンタンに言うと

日光ケミカルズ、医薬品原料展で外用剤の開発支援、新原料も展示

 日光ケミカルズは、4月22~24日に都内で開催された医薬品原料の国際的な展示会「CPhI Japan」に出展し、研究員によるセミナーも織り交ぜながら持ち前の技術力をアピールした。

 セミナーは、「外用剤まる分かり」と題したテーマで実施し、医薬品外用剤の処方や製剤設計、さらには有用性や安全性に関する評価技術など、商品開発に必要な情報を幅広く網羅した内容に仕上げた。

 その中で、グループ会社のコスモステクニカルセンターで研究する宇治謹吾氏は、感触などを高める化粧品の製剤化技術を医薬品外用剤(クリーム剤)に応用する利点について説明を繰り広げた。

 具体的には、油と水が何層もの膜になったラメラ液晶構造の技術に触れ、同構造を用いることで通常のO/W製剤よりも保湿性が高まり、また水分蒸散を抑制できることを実際の試験結果を用いて紹介するなどした。そのうえで、さらに研究を進めた結果、「医薬品にも応用できることが示唆された」として医薬品への活用を提案した。

 また、天然大豆レシチンをもとに開発した「NIKKOL レシノール」シリーズについても、皮膚水分量の増加や経表皮水分蒸散量の減少、さらには刺激緩和作用があることを示し、製剤化する際に留意すべき重要なポイントなどを解説した。

 セミナーではこのほか、薬剤の経皮吸収性を高める製剤設計に関する内容を盛り込んだほか、グループ会社で評価試験サービスを展開するニコダームリサーチの研究員からは、動物実験代替の手法として三次元組織モデルを用いるなどした同社独自の評価技術が紹介された。こうした内容を1つの講義にまとめ、これを3日間で計4回にわたって実施した。

 日光ケミカルズの企画担当者によると、同セミナーは昨年に続く2回目の実施で、好評だったという前回の経験を踏まえ「今回はより実践的な内容」にグレードアップさせたという。参加した医薬品や化粧品メーカー関係者にとっては、より商品企画をイメージしやすい内容に映ったようだ。

 同社が商品開発を支援する試みとしては、メーカーが研究などに自由に使用できる「開放研究室」を設けている。実際に原料や専用装置などを用いて、実習することが可能だ。

 一方、展示会場内のブースでは、セミナー内容に沿った情報発信に努めたほか、新たな原料や処方完成までの時間を短縮できる「三連式乳化試験機」なども展示した。

 新原料として展示したのは、フランスの原料メーカー・ソラビア社が生産する植物由来の「ペプトン」だ。微生物の培養に利用されるなど様々な用途があり、特に医薬品の分野で多用されている。ソラビア社は植物由来ペプトンの品揃えが豊富で、日光ケミカルズも植物性原料の販売を大きな柱の1つに据えていることなどから日本市場での紹介を始めたという。同原料については現在、ハラール認証を申請しているほか、サンプル請求も受け付けている。


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