三洋化成工業、長瀬産業と共同で「匂いセンサー」を事業化

粧業日報 2021年7月21日号 4ページ

三洋化成工業、長瀬産業と共同で「匂いセンサー」を事業化
 三洋化成工業は、長瀬産業と共同で、AI技術を応用した人工嗅覚で匂いを識別する「匂いセンサー」の事業化で合意したと発表した。

 匂いの検知材料に先端AI技術を融合し、特定の匂いをデジタルで識別、定量化するデジタル嗅覚技術は、医療分野、食品・飲料、香粧品など生活関連分野での応用が期待されており、その市場規模は2017年の約3200億ドルから、2026年は3兆1200億ドルに成長すると予測されている。

 こうした中、同事業で検討されている「匂いセンサー」は、プローブ(人間の嗅覚細胞に相当する物質)に香り分子が吸着することにより電気抵抗の変化で匂いを検知する方式を採用し、機械学習を通じてAIが様々な匂いの香り分子の組み合わせパターンを検知する。

 特長的なのは、界面制御技術を織り込んだ樹脂材料から構成されている点で、その組み合わせから複雑な香り分子の識別ができるようになることが期待される。

 事業化にあたり、三洋化成工業は、界面活性剤と機能性高分子に関する技術と知見を活かした独自の組成設計に基づいた樹脂材料を用い、多様な匂いを識別できる高精度なプローブの組み合わせを提案する。

 一方、長瀬産業は、プローブから得られたデータ処理を含むセンサーシステムの上位設計に加え、顧客ニーズに沿った分析結果を提供する新たなDXビジネスの構築を目指していく。

 「匂いセンサー」の事業化に向けて、まずは日本酒の醸造工程における品質管理と、香り成分の管理・計測や分析を通じた新商品開発への活用を進める。

 その後、食品、医療、香粧品や工場での環境対応など様々な市場でのマーケティングを推進し、長瀬産業が国内外に有する顧客ネットワークを活用して幅広い分野に展開していく方針だ。
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