グリセリンの国内トップメーカーである阪本薬品工業では、グリセリンの生産に特化した泉北工場(大阪・泉大津市、写真)のDX化を進めている。2022年には生産ラインの自動化を図り、年間約2万トンの生産能力を有する「第2RG設備」が稼働した。
生産本部長の峯嘉宏取締役によると、「設備のパラメータさえ管理すれば、スタートボタン1つで1日あたり約60トンの高品質のグリセリンが自動的に生産される理想的な設備設計を実現した」という。これにより、年間約1万3000トンを生産する従来の第1RG設備と比較し、1人あたりの生産量は約3倍と大幅に向上した。
また、これまでは一斗缶に充填する際に注ぎ口に付着(液だれ)するグリセリンを目視でチェックしていたが、昨年から新たに画像解析に加えてAIを駆使して液だれを検知する最新システムを導入した。これにより、省人化・省力化に寄与し、液だれ関連のクレームが大幅に減少したという。
「銀色の一斗缶に無色透明なグリセリンが付着しているのを人の目で発見するには限界がある。数ミリ単位でも付着していると一斗缶が錆びる原因となり、注ぎ口の錆びが最終製品の品質にも影響してしまう。画像解析にAIを駆使しているシステムはまだ少なく、当社の赤穂工場にも水平展開していく」(峯氏)
泉北工場では今後、SCM(サプライチェーン・マネジメント)領域において、入出荷や分析表などの各種伝票をデータ管理してペーパーレス化を図るほか、RPAとAIとの組み合わせにより受発注業務の効率化を目指す。
「現状は注文を受けてから生産しているが、次のステップとして市場動向の分析データを基に最適な生産量を事前に想定し、適正在庫水準の維持に努めていく。第2RG設備では今後、稼働から2年で蓄積されたデータを用いてさらなる省人化・省力化を進め、最終的に設備稼働の無人化と製造部門の在宅勤務を実現していきたい」(峯氏)
この記事は週刊粧業 2024年4月8日号 21ページ 掲載
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