グリコ栄養食品、敏感肌の悩みを解決するミネラル素材 POs-Ca を紹介

C&T 2023年6月15日号 58ページ

グリコ栄養食品、敏感肌の悩みを解決するミネラル素材 POs-Ca を紹介
 グリコ栄養食品は、小麦グルテン、デンプン、着色料、米粉から機能性素材に至るまで様々な原料の製造販売を行っている。今回、アプリケーション技術開発センターウェルネスグループの中井温子氏が、敏感肌の悩みを解決するミネラル素材「POs-Ca」についての講演を行った。

 敏感肌に明確な定義はないが、刺激に敏感で、少しの刺激でかゆみ、赤み、ひりつきを感じてしまう肌状態のことだといわれている。このような状態だと、よりその症状が気になり、さらに掻いてしまうといったように、気持ちが落ち着かなくなり精神的にも影響が出てしまう。また、この状態がストレスとなり、さらにかゆみ、赤み、ひりつきなどの症状につながるという負のサイクルを引き起こす。

 敏感肌に関する調査では、敏感肌に関する肌悩みが年々増加傾向にあり、またその傾向に比例して、敏感肌化粧品の市場規模も2015年以降拡大傾向にあることが報告されている。

 続いて中井氏は、敏感肌の原因について説明した。正常な肌であれば、表皮内の各層で細胞がきれいに密に並んでいる状態となっているが、紫外線や温湿度の変化、PM2.5、花粉、マスクの擦れなどの物理的刺激や、洗顔などによる化学的刺激などの外部からの刺激により、肌はダメージを受ける。また、ストレスや睡眠不足、運動不足などの生活環境によっても、肌荒れは引き起こされる。このような様々な原因によって、肌が少し荒れてしまった状態がよりひどくなると、敏感肌につながってしまう。

 中井氏は、「敏感肌の特徴として、外部刺激に弱い、体内の水分が逃げるといった点が挙げられる。正常な肌状態に戻すには、『バリア機能の向上』『ターンオーバーの正常化』が重要となる」と続け、それらの機能をもつ「POs-Ca」についての紹介をはじめた。

 「POs-Ca」は、リン酸化オリゴ糖をCa塩として調製したミネラル原料で、北海道産の馬鈴薯デンプンから異性化糖を製造する際の副産物を有効活用したサステナブルな素材である。

 続いて、POs-Caのもつ機能について説明する。まず1つ目に、「バリア機能の向上」について、細胞実験での効果を紹介した。肌がもつバリアは2つあり、第1バリアと呼ばれる角層には、細菌・ウイルス、大気汚染物質などの侵入を防ぎ、体内の水分蒸発を防ぐ機能がある。第2バリアと呼ばれ顆粒層内に存在するタイトジャンクションは、細胞と細胞を密着させ、角層を通り抜けた細菌などの侵入を防ぐ、水や物質の透過を防ぐといった機能があり、その物質のなかには、角化細胞が角層細胞になる際にスイッチとして機能するCaイオンも含まれる。

 「表皮中のCaイオンの流動を制限し、顆粒層付近に高いCa濃度を保つことは、肌において非常に重要だといえるだろう」(中井氏)

 POs-Caの肌への効果を検証するため、第1バリアの角層と第2バリアのタイトジャンクションへの効果を検証した。まず、第1バリアの角層に関して、天然保湿因子のプロフィラグリン、角化細胞内の主成分であるケラチン、角化細胞外膜部分の関連因子であるインボルクリンとトランスグルタミナーゼ、細胞間脂質の構成成分であるセラミドとコレステロールについて、POs-Caの影響を調べた。



 角層関連物質遺伝子に与える影響を確認するため、正常ヒト表皮角化細胞にPOs-Caを0.1%添加し、12時間、24時間後にRNAを抽出したところ、プロフィラグリン、ケラチン、インボルクリン、トランスグルタミナーゼといった角層関連物質遺伝子の発現増加が確認できたという。次に、角層細胞間脂質への働きを調べるため、ヒト表皮角化細胞にPOs-Caを0.1%添加し、6日間培養した後、細胞間脂質を抽出、薄層クロマトグラフィーによって分離・精製・数値化した。その結果、POs-Caを添加した場合では、角層細胞間脂質の構成成分であるコレステロールとセラミドNSの産生量が増加した(図1)

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