RAPHAS JAPAN、マイクロニードルの最新動向

C&T 2023年6月15日号 54ページ

カンタンに言うと

  • マイクロニードルの開発から製品化まで
  • 自社ブランド「ACROPASS」の製品をOEM・ODMでの提案ツールに活用
RAPHAS JAPAN、マイクロニードルの最新動向
 RAPHAS JAPAN(ラパスジャパン)は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の一種で、医療分野で活用されている「溶解性マイクロニードル」を用いて、浸透力と安定性に優れたマイクロニードルパッチ化粧品の製造・販売事業を展開している。

 権有利(グォン・ユリ)社長によると、2020年のグローバルにおけるマイクロニードルの市場規模は6億4000万ドルで、日本やアメリカ、ヨーロッパなど先進国を中心に拡大基調にあり、直近10年で2倍以上と大きく伸長している。今後は6.5%のCAGRで成長が見込まれ、2030年には12億ドルに達するとの予測もあるという。

 同社では、様々な種類があるマイクロニードルの中でも、美容成分そのものを針のようなニードル状に成型し、皮膚表面に塗るだけの一般的な化粧品では吸収しにくい成分を物理的に皮膚の内側へと浸透させる「溶解性マイクロニードル」を事業の柱としている。

 溶解性マイクロニードルは、ヒアルロン酸Naをベースとして、用途によって様々な美容成分を配合できる。成分自体を髪の毛の1/3の細さで乾燥させた繊細なニードルが、皮膚角質層の水分と反応して溶解・吸収され、「貼っている部位以外にも成分が広がり、全体的に肌の状態を高められることがマイクロニードルの魅力の1つだ」(権社長)という。

 一般的な溶解性マイクロニードルは、遠心分離機の金型に有効成分を投入し、熱や光で乾燥・固形化する「Micromolding」製法が主流となっている。同製法では、金型から取り外した後、パッチ素材から貼り付ける工程が別途必要となり、量産化が難しいといった課題があった。また、脱泡が難しいため正確な容量が入れづらく、熱や光での乾燥により配合成分の安定性が低下するといったデメリットもあった。

 それに対し、ラパスジャパンが独自開発した「DEN(Droplet Extension)」製法では、金型を使用せず、美容成分を直接パッチ素材の上に滴下してマイクロニードルを成形することでより含有量の多い、強いニードルを作り上げる。さらに、従来のニードルの成形で主に使われていた熱や光を一切使用せず、常温エアーでニードルを乾燥することで美容成分がより安定的にマイクロニードルに保持され、肌の角質層へと浸透するという。

 「DEN製法は、溶解性マイクロニードルにおいて世界で初めて製造から箱詰めまでを自動化した生産システムを実現し、これまでのMicromolding製法で12時間も費やしていた生産時間が僅か5分まで大幅に短縮され、量産化が可能になった。また、配合容量に加え、貼る部位に合わせてニードルの長さも自由にコントロールでき、さらに金型が不要で幅広い形状の化粧パッチに対応できるのもメリットだ」(権社長)

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