【週刊粧業2024年5月27日号8面にて掲載】
成果を上げる企業は、実行のスピードが速いという共通点があります。実行スピードの早い会社の内情を見てみると、様々な施策を自社で実行できる体制が整っているのが特長です。
広告の運用やツール制作など、慣れていないとどうしても外部のパートナー企業に任せがちになります。しかし、多くのことを外部に頼ってばかりいると、施策の実行スピードが上がらず、改善までに時間がかかってしまいます。
そのため、クライアント企業様には、一つひとつの施策の質の高さを求めるよりも、まずは自社で実行してもらうことを重視しています。
化粧品通販会社A社は、自社でWeb広告の運用をしています。元々、担当者は、Web広告の経験があったわけではありません。毎日、広告の管理画面を見て、日々勉強しながら運用を行っております。ある広告の調子が良くないと分かれば、すぐにその原因究明のためキーワードに問題があるのか、予算に問題があるのか、LPに問題があるのかなどを仮説を立て、すぐにその仮説の実行に入ります。
そのため、悪い状態を長く引きずらずに済み、改善が出来ているので新規獲得数を伸ばす事に繋がっています。
健康食品通販会社B社は、同梱物やDM作りの費用を抑えつつスピーディな制作を目指し、自社でラフ原稿をしっかりと作り込むようにしています。B社は異業種からの参入で社内に通販経験者はいません。当然、担当者はツールのラフ原稿の作成などを経験をしたことがありません。
しかし、繰り返しラフ原稿を作っていく内に、次第に慣れて行き先日も、新商品の発売に向けた初回同梱物のほとんどのラフ原稿を自力で作ることにしました。
最初に、各ツールにどのような目的を持たせるか明確にすることでスムーズに進行することができ、最終的にとてもわかりやすいツールを短期間で仕上げることができました。
化粧品通販会社C社は、毎月キャンペーンを行い、販売促進を行っています。数年前までは売りたい商品を決めた後は、DMやキャンペーンページのサイト構成などは、外部の制作会社に任せていました。
ただ、外部に任せきりにしてしまったことで、企画や構成内容がマンネリ化し、次第にキャンペーンの反応が悪くなってしまいました。
そこで、キャンペーンの企画、DM、キャンペーンページのサイト構成を自社で考えるように方針を変更しました。社内で行うようになったことで、担当者には主体性が生まれ、仮説構築と成果の振り返りを真剣に行うようになりました。お客様にキャンペーンのお得感、魅力が伝わるようになり結果として、キャンペーンの成果は改善しました。
通販ビジネスにおいて外部のパートナー企業の力を借りることは大切なことで、成果にもつながります。しかし、外部に頼るばかりでは社内のスキルが上がっていきません。
もし、施策の実施や改善に時間がかかっているという課題がある会社は、自社で実行できることを増やしてみてはいかがでしょうか? 自社の施策の実行のスピードアップにつながるのでお勧めです。
船生千紗子
(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント
通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。
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