少し古いデータになるが、中国のインターネット関連のサービス機関CNNICが発表した中国国内のインターネット利用状況に関する報告書によると、2009年のインターネット利用者数は3億8400万人となり前年比28.9%増。2002年と比較すると6.5倍へと膨張するなど、今後も増加していくと見られている。また、中国における総ネット人口のうちショッピングユーザーの構成比は25%程度。このうち女性が6割超を占め、年代別で見ると30歳までが約80%と大勢を占めているという。さらに、中国の富裕層はネットで買い物をほとんどしないため、その中間層をメインターゲットに設定する動きが加速している。そうした中、資生堂は2011年9月15日、ネット利用者が世界最大の中国でeコマース(ネット通販)を開始した。80后世代のうち自然派志向層をターゲットに、通販専用シリーズ「ピュアマイルドソワ」(スキンケア14品目14品種、価格帯は1080円〈90元〉から2760円〈230元〉、1元=12円で換算)を開発し、専用サイトを開設。ネット通販というルートにおいて、中間層、中でも80后女性を取り込もうとする同社の取り組みは、その方向性が正しいことから、今後の推移に大きな注目が集まっている。
- _資生堂_中国ネット通販_eコマース_戦略.pdf